セラミックを入れたら割れた? その方にとっての最適を考えることの重要性。
2025/07/17
セラミック治療とは?
セラミック治療とは、従来の金属やプラスチックではない、セラミックを用いた補綴(失った歯の一部分、または全部を補う)治療を指します。
(奥から2番目の歯)
セラミック治療の最大の利点は「人体に優しい事」と「見た目が良い」ことです。
その他、接着剤の進歩は目まぐるしく、虫歯の再発率が低いという重要な利点があります。
セラミック治療は高い頻度で行われますが、1つだけ欠点があります。
それは「割れることがある」という点です。
先日ご来院された方も、以前に詰めていたセラミック製の「インレー(部分的な歯の欠損を補う治療)」の一部がかけてしまっていました。
一度割れてしまった箇所は、強いかみ合わせの力が加わっている傾向にあるため、改めて割れることがしばしばあります。 このような時には、一度応急的に「レジン」などで修復をし、感染を起さないようにします。
その後、改めて割れてしまった場合には、再度インレー治療をします。
このように、セラミック治療においては、修復を行うときに注意点が必要になります。
「噛む力の強い所には、セラミックをしない」
「噛む力の強い所には、厚みを確保して行う」
ただし、神経の残っている歯の場合、セラミックに厚みを持たせると、歯を多く削らなければなりません。
そのため、近年は「ジルコニア」と呼ばれる、強化されたセラミックを用いる事も多くなっています。
セラミックとジルコニアの違いは?
近年のセラミック治療で用いられているセラミックは、以前と比べると明らかに強化されています(e-max)。
その性質の1つは、接着剤で装着することで、歯と一体化することにあります。
したがって、セラミック単体では脆いものでも、歯と一体化することで、その強度を発揮します。
その一方で、ジルコニアはそれ以上に硬い材質のため、通常は割れる事がありません。
そのため、本当に強い力が加わる所には、ジルコニアを用いることが多くなっています。
装着からしばらく、ジルコニアは少し硬い感じがすることがある
ジルコニアは非常に硬い材質のため、割れるというリスクが極めて低い一方、「噛んだ時の硬さ」ゆえに、「硬い感じがする」という場合があります。
また、前歯部などのように、見た目の精度をより高めたいという場合においては、歯特有の切縁部の透明性が「セラミック」ほどありません。この点、セラミックは非常に審美性が高いことが特徴です。
とはいえ、近年のジルコニアの進歩は目まぐるしく、その審美性の高さは非常に高いといえます。
(写真右の前歯をジルコニアの治療)
審美性
セラミック 〉 ジルコニア
強度
ジルコニア 〉〉 セラミック
平均寿命が延び、同時に健康寿命の重要性がより一層高まっています。
この「健康寿命」に非常に大きな役割を果たすことが「歯の健康」です。
セラミックやジルコニアなどの生体親和性の高く、予後が良い材質の治療を行うことは、長期的観点からも大切なことです。
それゆえに、セラミック治療を行う時には、その方のかみ合わせや、強く当たる部位を判断し、適切な対応をすることが、同時に重要になります。
神保町野本歯科医院 野本幸平
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