歯ぎしり、食いしばりが強いときの対応法

      2025/07/12

歯ぎしりや食いしばりが顎関節の痛みや歯の破折を起こす。

歯ぎしりが習慣になっている場合や、噛みしめが習慣になっている方の場合、歯をガードすることが求められます。今回は歯ぎしりの強さとその問題点、予防策についてお伝えします。

 

 

1 歯ぎしり、食いしばりとは何か?

歯をギリギリ左右に動かし、上下の歯がすれる現象を歯ぎしりと言います。専門的にはこのことを「グラインディング」と言い、歯と歯を強く噛みしめる行為を食いしばりと言い、こちらは「クレンチング」と呼びます。これらは総称して「ブラキシズム」とか「パラファンクション」と呼ばれます。

また、ブラキシズムの多くは、寝ている時など、無意識に行われていることが多く、それを「睡眠時ブラキシズム」と呼びます。

 

2 歯ぎしりが強いと何が問題か?

ブラキシズム(歯ぎしりや食いしばりの総称)を行うことにより、歯には通常はかからない刺激が持続的にかかってしまい、その結果として「歯がかける」「歯根膜の炎症」をはじめ、「顎関節の痛み」や、「歯の破折、詰め物の破折」を引き起こします。

 

歯がかける

歯を歯とを合わせてギリギリする習慣が続くと、歯はそのたびに擦れていき、結果的に「やすり」のような効果により、かけていきます。

これは専門的には咬耗(こうもう)と呼びます。

なお、同じく歯がすれてかけてしまうことを摩耗(まもう)と言いますが、結果は同じですが、歯以外の原因(強いブラッシング圧など)により生じる場合は摩耗と「分けて」呼ばれます。

 

歯根膜に炎症が起きる

噛みしめが強い方や、食いしばりが習慣になっている場合、その刺激は「歯の根を覆う歯根膜」にいきます。この刺激を歯根膜が受け続けることにより、「歯根膜炎」と呼ばれる、歯根膜が腫れる症状が起こります。

その結果、歯根膜が腫れた分、歯が浮き上がり、これまでと同じ噛み方をしていても、浮いた分「強く当たる」結果を招きます。それは「噛んだ時の痛み」を誘発します。

 

顎関節、咬筋の痛み

神保町駅徒歩1分の歯医者、神保町野本歯科医院は、急患の受付対応も行っております。

朝起きた時に、顎のあたりが痛いという方は多くおります。これは、寝ている時に食いしばりを無意識にしたことにより、咬筋や顎関節に過度な刺激が加わっていることに起因します。

 

歯の破折、詰め物の破折

歯ぎしりや食いしばりが強い方は、過去につけた装着物や、歯自体を割ってしまうこともあります。とりわけ、材質の脆いものや、神経を抜いた歯などは、非常に割れやすい状態のため、強い刺激が継続的に加わることで、あるときに割れてしまいます。

それが歯だけの場合は、治療により保存することも可能ですが、歯の根っこの破折を起した場合には、抜歯をせざるを得ない場合もあります。

 

3 歯ぎしりの予防法

上記の現象の他、歯ぎしりや食いしばりを継続していると、歯はどんどん削られていき、もともと鋭利だった部分が丸くなり、食事をするときの「噛み切れない」という問題を引き起こすこともあります。

ここでは、そんな歯ぎしり、食いしばりを防止するための方法をお伝えします。

 

意識的に歯と歯を合わせない

これは意識療法と呼ばれ、非常に効果があります。特に日中においては「意識」をすることで、ある程度緩和をすることができます。

歯ぎしりをしないという意識以上に、歯と歯を合わせないという意識を持つことがポイントです。

 

睡眠時にナイトガード(マウスピース)をつける 

ナイトガードとは、文字通り、「寝ている時」に「守る」ためのマウスピースです。これは「日中」などの意識をすることで阻止できる問題ではなく、「寝ている時」などの、無意識に行われてしまう癖を防止するための方法です。

ナイトガードをはめることにより、たとえ歯ぎしりや食いしばりが行われた場合においても、それが直接的に向き合う歯に刺激を与えず、マウスピースという、いわば「クッション」を介して刺激が伝わります。

その結果、ダイレクトな刺激と比べて、大きな緩衝作用を持ち、歯を守ることにつながります。

また、食いしばりが強い方特有の、朝起きたときの顎関節、咬筋の痛みも緩和することができます。

*ナイトガードは、保険診療で行うことができます。穴が空いてしまった場合など、6ヶ月ごとに新しく作ることができます。ご相談は歯科医院にて。

 

4 まとめ

歯ぎしりや食いしばりは、歯がかけたり、破折を起すことにとどまらず、噛んだ時の痛みや、起床時の顎関節の痛みなどにも影響します。気づいたときから、早めの対処することで、悪化する前に防止をすることができます。

対策方法は「日中は意識的に歯と歯を合わせないようにすること」ですが、寝ているなどの、無意識に行われるシチュエーションにおいては、ダメージを最小限に抑える目的で、ナイトガード(マウスピース)を用いる事を推奨します。

マウスピースは歯科医院にて作ることができます。1度受診してみてください。

神保町野本歯科医院 野本幸平



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