掌蹠膿疱症は皮膚科?歯科?歯科金属や歯周病との関連を徹底解説
こんにちは、神保町の歯医者、神保町野本歯科医院です。
「掌蹠膿疱症(しょうせきのうほうしょう)」という病名を聞いたことはありますでしょうか?
手のひらや足の裏に無菌性の膿疱が多数できる慢性の皮膚疾患で、かゆみや痛みを伴い、日常生活にも大きな影響を及ぼすことがあります。
この掌蹠膿疱症、一般的には皮膚の病気として皮膚科を受診される方がほとんどかと思います。
しかし、実は歯科との関連も深く、当院にも「もしかして、歯が関係しているのでは?」とご相談にいらっしゃる患者さまが増えています。
本コラムでは、掌蹠膿疱症と歯科との意外な関係性について、そして当院で提供できる治療について詳しく解説していきます。
掌蹠膿疱症と歯科との知られざる関係性
掌蹠膿疱症は、原因不明とされることも多い病気ですが、近年、扁桃腺炎、虫歯、歯周病、歯科金属アレルギーなど、口腔内の問題が関与している可能性が指摘されています。
実際に、掌蹠膿疱症の患者さまの中には、歯科治療後に症状が改善したというケースも少なくありません。
なぜ、手のひらや足の裏の皮膚疾患が、お口の中とつながるのでしょうか?
免疫システムの誤作動
私たちの体には、外部からの病原菌や異物から身を守るための「免疫システム」が備わっています。
しかし、何らかの原因でこの免疫システムが過剰に反応したり、誤作動を起こしたりすることがあります。
掌蹠膿疱症は、このような免疫システムの異常が関与していると考えられており、口腔内の慢性的な炎症や異物が、全身の免疫システムに影響を与え、皮膚症状として現れることがあるのです。
歯科金属アレルギーとの深い関連性
掌蹠膿疱症の原因として特に注目されているのが、歯科金属アレルギーです。
お口の中に詰められている銀歯や被せ物には、パラジウム、ニッケル、コバルトなどの様々な金属が含まれています。
これらの金属が唾液によって少しずつ溶け出し、体内に吸収されることでアレルギー反応を引き起こすことがあります。
金属アレルギーは、接触性皮膚炎のように金属が触れた部分に症状が出るだけでなく、掌蹠膿疱症のように全身に症状が現れることもあります。
これは「全身性金属アレルギー」と呼ばれ、手のひらや足の裏以外にも、全身の発疹、かゆみ、湿疹などの症状を引き起こすことがあります。
歯科金属アレルギーと掌蹠膿疱症のメカニズム
歯科金属が溶け出すと、タンパク質と結合してアレルゲン(アレルギーを引き起こす物質)となります。
このアレルゲンが血液に乗って全身を巡り、特定の部位で免疫システムが過剰に反応することで、掌蹠膿疱症の症状が現れると考えられています。
特に、口腔内は常に湿潤な環境にあり、食べ物や飲み物の摂取によって金属が溶け出しやすい状況にあります。
また、歯ぎしりや食いしばりなどによって金属が摩耗することも、金属イオンの溶出を促進する要因となります。
当院の「メタルフリー治療」で根本的な改善を目指す
「もし歯科金属が原因なら、どうすればいいの?」
そう思われた方もいらっしゃるでしょう。
当院では、歯科金属アレルギーの可能性を考慮し、メタルフリー治療を積極的にご提案しています。
メタルフリー治療とは、金属を使用しない歯科材料(セラミックやジルコニアなど)を用いて、虫歯治療や被せ物、詰め物を行う治療法です。
メタルフリー治療の最大のメリットは、歯科金属アレルギーのリスクを排除できる点です。
見た目も天然の歯に近く、審美性にも優れているため、健康面だけでなく見た目も改善したい方にもおすすめです。
神楽坂の「のもと皮膚科」と連携した診断
当院では、患者さまの症状やお口の中の状態を詳しく診察し、歯科金属アレルギーの可能性が疑われる場合には、連携している神楽坂の「のもと皮膚科」と密に連携を取り、より専門的な診断を行います。
皮膚科での診断では、パッチテストなどの検査を行い、どの金属に対してアレルギー反応があるのかを特定することができます。
この検査結果に基づいて、原因となっている金属を特定し、それを除去することで、掌蹠膿疱症の症状の改善を目指します。
「アレルギーかも?」と不安に感じている方も、まずは当院にご相談ください。
皮膚科と歯科、両方の視点からアプローチすることで、より正確な診断と適切な治療計画をご提案できます。
歯周病も掌蹠膿疱症の原因に?
歯科金属だけでなく、歯周病も掌蹠膿疱症の発症や悪化に関与している可能性があります。
歯周病は、歯ぐきや歯を支える骨が細菌によって炎症を起こす病気です。
初期段階では自覚症状が少ないため、気づかないうちに進行していることが多いです。
歯周病菌と全身の炎症
歯周病菌は、歯ぐきの血管から血液中に入り込み、全身を巡ることがわかっています。
この歯周病菌が、体の様々な場所で炎症を引き起こしたり、免疫システムに影響を与えたりする可能性があります。
掌蹠膿疱症も免疫システムの異常が関与しているため、慢性的な歯周病による全身の炎症が、掌蹠膿疱症の症状を悪化させる一因となっている可能性が考えられます。
実際に、歯周病治療によって掌蹠膿疱症の症状が改善したという報告もあります。
歯周病治療の権威、伊藤公一先生監修の治療
当院の歯周病治療は、歯周病予防の第一人者である伊藤公一先生(元日本歯周病学会 理事長)の監修を受けており、最新の歯科医療知識と科学的根拠(エビデンス)に基づいて構築されています。
伊藤先生は、長年にわたり歯周病の研究と臨床に携わり、日本における歯周病治療の発展に大きく貢献されてきた方です。
その豊富な知識と経験に基づいた治療プロトコルを導入することで、患者さま一人ひとりに最適な、質の高い歯周病治療を提供しています。
当院の歯周病治療では、単に歯石を除去するだけでなく、患者さまの口腔内の状態や生活習慣を詳しく把握し、オーダーメイドの治療計画を立案します。徹底したプラークコントロール、歯周ポケット内の細菌除去、そして再発予防のためのメンテナンスまで、包括的なアプローチで歯周病の根本的な改善を目指します。
根尖性歯周炎(こんせんせいししゅうえん)も要注意
歯の根の先端に炎症が起こる根尖性歯周炎も、掌蹠膿疱症との関連が指摘されています。
根尖性歯周炎は、虫歯が神経にまで達して炎症を起こしたり、過去に受けた根管治療(歯の神経の治療)が不完全であったりすることで、歯の根の先に膿がたまったり、骨が溶けたりする病気です。
根尖病巣から広がる細菌感染
根尖性歯周炎によって歯の根の先端にできた膿の袋(根尖病巣)は、口腔内の細菌が全身に広がる温床となることがあります。
ここから細菌やその毒素が血液に乗って全身を巡り、掌蹠膿疱症の発症や悪化に影響を与える可能性が指摘されています。
歯科医院だからこそできる掌蹠膿疱症へのアプローチ
掌蹠膿疱症の治療は、皮膚科医と歯科医の連携が非常に重要です。
当院では、患者さまの口腔内の状態を詳細に診察し、掌蹠膿疱症の症状との関連性を総合的に判断します。
そして、必要に応じて皮膚科への紹介や連携を行い、歯科と皮膚科の両面からアプローチすることで、より効果的な治療を目指します。
手のひらや足の裏の症状でお悩みの方、もしかしたらお口の中に原因が隠れているかもしれません。神保町野本歯科医院では、患者さまのお悩みに真摯に耳を傾け、最適な治療法をご提案いたします。
まずはお気軽にご相談ください。皆さまの健康な毎日をサポートするために、最善を尽くします。
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