歯磨きすると血が出る理由。これはどんな病気?

      2025/07/08

歯磨きすると血が出る理由は「〇〇病」

歯磨きをする時に、出血をすることがあります。これは歯を覆う歯茎からでているものです。

今回は、歯磨きをしているときに血が出る理由と、その対応法についてお伝えします。

 

 

1 歯磨きをすると血がでるのはなぜ?

歯磨きをしているときに、歯ブラシに血がつくことがあります。

あるいは、デンタルフロスを用いている時に、同様に血がつくことがあると思います。

これらは共に「歯周病」に罹患していることが原因です。

歯周病とは、歯ではなく、歯の周りにある組織に問題が起きている病気です。

具体的には、初期の段階では「歯茎に炎症」が起きるため、歯茎が赤くなってきたり、若干ですが、プクッと膨れ上がっているように見えます。

それを放置すると、歯茎がより膨れ上がり、歯磨きをすると出血が止まらなくなります。

この段階にくると、歯を支えている骨が溶けだしていき、歯のグラグラにつながっていきます。

 

歯周病の怖さは「自覚症状がない」ことです。

虫歯になると、歯がしみたり、痛いということがありますが、歯周病の場合は自覚症状がありません

そのため、歯ブラシをしているときに出血がでる程度で、あまり気にしない方も多い傾向にあります。

しかし、それを放置すると、結果として歯が抜けてしまい、様々なトラブルを起こすほか、全身疾患にもつながっていきます。

なにより歯周病の怖い点は、一度進んでしまった「骨の吸収」は、二度と元には戻らないという点です。

そのため、一度歯がグラグラすると、元の状態に戻すことはできません。

 

喫煙者は特に注意が必要です。

このように、歯周病では自覚症状がでないのが特徴ですが、歯ブラシをすれば出血をしたり、歯茎が若干膨れがあってきたりという「見える異変」により気づく方も多くおられます。

しかし、喫煙をされている方の場合は、たとえ歯周病は進行していても、その「出血」「腫れる」という事自体が、隠されてしまい、相当に進行してしまってから気づく場合も少なくありません。

これは喫煙の成分により、「歯茎の血管が収縮」し、その結果、血流が少なくなることによります。

 

2 歯周病はどうすれば抑えられるの?

歯周病を抑えるためには、何よりも「現状を把握」することが大切です。そのためには、まず歯科医院にて「歯茎の検査」を受けることが重要です。そこで得た結果より、「初期症状なのか」「中等度に進んでいるのか」「重症なのか」が概ね判明します。その後、しかるべき治療を受け、歯周病の原因である「歯周病菌」を除去することが必要です。

 

歯周病菌はどこにいるの?

歯周病菌は、私達が食事をした後に、お口の中に残る食渣に存在します。これはプラーク(歯垢)と呼ばれるもので、歯面に付着します。これが時間とともに石灰化したものを歯石と呼び、そこには歯周病菌が多く分布しています。一度歯石になったものは歯ブラシでは除去ができないため、専門器具を用いて歯科医院で除去することが不可欠です。

基本的には、歯周病菌の好む場所は「歯茎の中」です。したがって、歯と歯茎の間のブラッシングを丁寧に行うことが、歯周病を防ぐためには非常に大切です。

 

フロスを必ず用いる

虫歯菌の多くが、歯と歯の間や、歯の溝に入り込む傾向にある一方で、歯周病菌の多くは、歯と歯茎の間に分布することが多いため、ブラッシングだけでは取り除くことができません。

そのために大切な材料が「デンタルフロス」です。歯周病菌しっかりとり除くためには、毎日の正しいフロスの習慣が大切です。

*フロスの使い方は難しく、やり方を誤ると、むしろ歯茎を引き下げる結果を生みます。したがって、ぜひ一度歯科医院で説明を受けることを推奨します。1度覚えておけば、一生使うことができます。

 

3 歯医者ではどんな治療をするの?

歯科医院では、歯周病にならないための「予防」と、歯周病になってしまった場合の「治療」2つが行われます。歯周病の原因は「プラーク」です。このプラーク、特にそれが石灰化してしまった歯石を取り除くためには、「歯磨き」だけでは不十分であり、専門器具を用いて「機械的な除去」を行う必要があります。

軽度の場合には「スケーリング」と呼ばれる「見える部分」だけを清掃する方法が行われますが、中等度以上の歯周病の場合には、歯茎の中にも菌が入ってしまっているため、「ルートプレーニング」と呼ばれる歯の根っこについた歯石を取り除く対応が行われます。

神保町の歯医者、神保町野本歯科医院で歯石とりの痛みについての解説

あるいは、重症化した歯周病の場合には、歯茎を開き、こびりついた歯石を取り除く方法を行うこともあります。このような「中等度」~「重症」に行われる対応では、「痛み」を感じにくくするために、麻酔を行います。従って、治療では強い痛みを感じることは少ないため、ご安心ください。

 

4 まとめ

歯周病予防で大事なことは、とにかく、日々の適切なブラッシングとフロスの習慣です。そして、100%磨いたつもりでも、実際には取り残しが多いものです。

それらを放置すると石灰化し歯石になってしまいますので、2~3か月周期で定期的に歯科医院にてクリーニングを兼ねて健診を受けることが重要です。

神保町野本歯科医院 野本幸平



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