歯の型取り時のオエッはどう防止するか? 型取りの方法について。

      2025/07/05

歯の型取りの方法。アナログとデジタル

 

 

1 歯の型取りとは?

マウスピースを作る時や、歯の治療計画を立てる時などには、患者様のお口の環境を、模型で再現することが求められます。とりわけ頻繁に行われる場合として、虫歯の範囲が広い治療などが挙げられます。その虫歯を除去した後に、「その欠損=空隙」を補うためには、削った歯の空間を模型で再現し、その模型をベースに、補う技工物を製作します。

このような時に行われるプロセスが「型取り(=印象採得)」です。

 

2 歯の型取りに用いる材料は?

歯の型取りには、「専用トレー」「印象材」を用います。この印象材の種類にも多種ありますが、一般的には、「アルジネート印象材」と呼ばれる、歯科医院でよく見かける「ピンク色」の材料を用います。この材料は大まかな構造を再現するときには、非常に多用されます。

あるいは、部分的に細かい制度を求める場合の型取り(印象)には、「シリコーン印象材」と呼ばれる印象材や、「寒天印象材」とのコンビネーションで採得する場合もあります。この点は非常に細かいため、説明は割愛します。

 

3 歯の型取りの方法

歯の型取りの方法には、前述した「トレー」「材料」を用いるアナログタイプの場合と、デジタルで撮影をするだけの方法の2パターンに大別されます。

ここでは後者のデジタルで撮影する方法を説明します。

デジタルで撮影する方法

この方法では、いわゆる「トレー」「材料」を用いる必要なく、専用の口腔内カメラにて、全ての歯と歯茎の状態を撮影することで対応ができます。

したがって、いわゆる「オエッ」となってしまうような柔愛の型取り特有の不快感を軽減することができます。あるいは、材料を使わないため、環境に優しいという面でもメリットがあります。そして、1度データ化したものは、何度でも使用でき、技工所にデータを送信するだけで技工物の製作がスタートできるため、その利便性にもメリットがあります。

ただし、必ずしもメリットばかりではなく、お口の中での操作時間や、カメラ自体の異物感はあります。あるいは、歯と歯茎の境目の状態に関しては、一部再現性が従来のやり方よりも劣る場合もあります。

  

4 デジタルで行うメリット

嘔吐反射の強い方の場合

個人差はあるものの、人によっては「型取り」で吐きそうになってしまう方がいると思います。これは喉の後方にある部分にある「嘔吐に反応する反射」が過敏な場合に起こります。

このような場合には、型取りをするときに「鎮静(麻酔)」をする場合もあります(大学病院などでは)が、デジタルで行う方法を持ちることで、その反射を軽減することができる場合があります。

スピードを求める場合

例えば、セラミック症例においては、データ化したものを技工所に送信することで、素早く、その技工物の制作に着手することができます。また、データ化したものの方が、技工士さんが設計しやすい場合もあります。

本印象前の確認の場合

型取りを行う前に、現状の削り方を確認するために用いる場合、1度で型取りを成功させることにつながるため、確認のためにデジタル印象を行う場合があります。

 

5 まとめ

歯の治療において、型取り(印象採得)は、歯と歯茎の状態を模型として再現するために不可欠なプロセスです。

この操作には「トレー」「印象材」を用いるやり方と、専用カメラで撮影をする場合がありますが、それぞれメリット・デメリットがあり、その症例の特質や、患者様の特徴を考慮して選択がされるものです。 

神保町野本歯科医院 野本幸平



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