舌触り(舌感)が変! 歯がザラザラする理由。
舌感が変! 歯のザラザラ感について
「なんとなく、舌で触るとザラザラする」という方は多いと思います。この原因と対応法について、お伝えします。
1 歯がザラザラする原因と予防策
人によって症状が異なる場合もありますが、ザラザラする場合は、一般的に「下の前歯を舌で触った時に感じるザラザラ感」が多いものと考えられます。これは主に「歯が摩耗し、部分的にかけてしまっている」ことによります。
(写真1)
写真1では、「歯の表面にある『エナメル質』が摩耗」し、その下にある層である「象牙質」が露出してしまっている状態です。象牙質の下には「神経」があるため、これ以上悪化してしまうと、「しみる」などの症状も出てくるようになります(絵1)。ただし、この症状には個人差があります。神経が小さい方は感じにくい傾向にあります。
(絵1)
なぜ、下の前歯がかけてしまうのか?
噛みしめが強い、歯ぎしりをする
噛みしめや歯ぎしりの傾向がある方は、日中や寝ている時に、意識無意識問わずに「噛みしめたり、歯ぎしりをする」ということが起こります。これが継続的に行われていくことで、歯の摩耗を引き起こします。写真2は、やや重度の症例ですが、歯の摩耗を超えて、かけてしまっていることが分かります。
(写真2)
■対応法:マウスピースをつける。意識的に日中の歯と歯を合わせないようにする。
マウスピースは歯科医院で作ることができます。その方にあったマウスピースをつくることで、寝ている時の歯ぎしりや噛みしめを抑制することができます。また、意識的に「歯と歯が触れ合わせないようにする」ということも効果的です。
歯ブラシ圧が強い
歯ブラシ圧も強くなれば摩耗の原因になります。特に下の前歯の裏側を磨くときには、立て磨きでゴシゴシする場合があります。この方法は適切ですが、力を強くしすぎることは摩耗の原因になりえます。したがって、できるかぎりソフトに、優しく磨くことが大切です。あるいは、もともと力が入りやすい方は、軟らかい毛先の歯ブラシを使うことも大切です。
■対応法:弱く磨くようにする、軟らかい毛先の歯ブラシを用いる。
奥歯の噛み合いが悪い
通常、前歯と前歯が接触することはほとんどありません。しかしながら、奥歯でしっかりとかみ合っていない方の場合、噛むときに前歯の方に負担が行きやすくなります。このような「奥歯が欠損している方」「奥歯のかみ合わせがしづらい方」などは、通常は触れないときにも、前歯と前歯が触れ合うことが多くなるため、結果的に歯の摩耗が起きやすくなります。
■対応法:歯科医院で奥歯のかみ合わせをチェックし、対応を検討することが大切です。奥歯のかみ合わせがしっかりしていないと、様々なお口のトラブルを引き起こすばかりか、肩こりや頭痛などの全身症状も引き起こすことにつながります。
その他
胃酸などの逆流を引き起こす、胃食道逆流症の方の場合、胃酸が歯の裏側に触れる頻度が増えることから、歯が溶けてしまう「酸蝕症」を引き起こしやすくなります。この場合、マウスピースなどを装着しておくことで、できるかぎり歯に触れないように抑える効果があります。
2 歯がザラザラする時の治療法
■しみる場合
歯が摩耗することで、「しみる」という症状が出てしまっている場合、なにかしらの処置をすることが求められます。一般的には「コンポジットレジン修復」(写真3)と呼ばれる、樹脂を詰めて整形する方法や、症状だけを抑える「薬を塗布する対応」などがあります。ただし、欠損範囲が大きい時の場合は、歯自体を覆うような形の治療を行う場合もあります。
(写真3)
■しみない場合(気なる場合、気にならない場合)
歯が摩耗することは、多かれ少なかれ誰にでも見られます。人間は加齢に伴い、その分、歯を使っている期間(≒歯と歯が触れ合っている時間)も高まるため、一定の摩耗が起こるのは健全です。したがって、これ以上悪化しないように、「マウスピースを装着する」ことや、「歯ブラシ圧も弱くする」などの予防的対応を重視します。
■しみないけれど、気になる場合
「舌で触ると気になる」という場合には、近くの歯医者さんで一度診てもらうことがお勧めします。歯の症状は1度気になると、ずっと気になることもあるためです。1度問題の原因を知るだけでも安心することがありますので、ぜひ歯科医院に、ご受診されてみてください。
神保町野本歯科医院 野本幸平
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