歯茎を触ると臭い…その原因、もしかしたら危険信号かも?
2025/07/30
こんにちは。神保町駅徒歩1分の歯医者、神保町野本歯科医院です。
「歯茎を触ると、なんだか嫌な臭いがする…」
「口臭が気になるけど、どこが原因か分からない…」
そんなお悩みを抱えていませんか?
歯茎からの臭いは、単なる口臭の問題にとどまらず、お口の中の健康、ひいては全身の健康に関わる重要なサインかもしれません。 本コラムでは、歯茎の臭いの主な原因とそのメカニズム、そして当院で提供できる専門的な治療について詳しく解説していきます。
なぜ歯茎から臭いがするの?
最も多い原因「歯周病」
歯茎の臭いの最も一般的な原因は「歯周病」です。
歯周病は、歯と歯茎の境目にたまるプラーク(歯垢)の中にいる細菌が原因で、歯茎に炎症を引き起こす病気です。
歯周病が臭いの原因となるメカニズム
歯周病が進行すると、歯と歯茎の間に「歯周ポケット」と呼ばれる溝が深くなります。
この歯周ポケットの中は、酸素が苦手な歯周病菌にとって最適な住処となります。
歯周病菌は、口腔内の食べカスや、剥がれ落ちた歯茎の細胞などを分解する際に、「揮発性硫黄化合物(VSC)」と呼ばれるガスを発生させます。
このVSCこそが、ドブのような、腐った卵のような、生ゴミのような、非常に不快な口臭の主な原因となるのです。
さらに、炎症を起こした歯茎からは、膿や出血が出ることがあります。
これらの分泌物も、口臭の原因となる細菌の餌となり、臭いをさらに悪化させる悪循環を生み出します。
根尖病巣(こんせんびょうそう)や歯根嚢胞(しこんのうほう)
歯の根の先端に膿の袋ができる根尖病巣や、それがさらに進行して骨の中に液体がたまる歯根嚢胞も、歯茎の臭いの原因となることがあります。
これらは、過去の虫歯治療が不十分だったり、歯の神経が死んでしまったりすることが原因で発生します。
根尖病巣・歯根嚢胞が臭いの原因となるメカニズム
歯の根の先端にできた病巣の中には、細菌やその代謝産物が大量に存在します。
これらの病巣が歯茎の表面にまで広がると、「フィステル」と呼ばれるおできのようなものができ、そこから膿が排出されることがあります。
この排出される膿が、強い嫌な臭いの原因となります。
フィステルは、膿を出すことで内部の圧力を一時的に下げ、痛みを和らげる働きがあるため、症状に気づきにくいこともあります。
しかし、フィステルがあるということは、歯の根の内部で慢性的な感染が続いている非常に危険なサインです。
歯肉膿瘍(しにくのうよう)
歯肉膿瘍は、歯茎の表面に急性の炎症が起こり、膿がたまる状態を指します。
これは、歯周病が急激に悪化したり、食べ物が歯茎に挟まって感染を起こしたりすることで発生します。
歯肉膿瘍が臭いの原因となるメカニズム
歯肉膿瘍は、歯茎の一部が赤く腫れ上がり、触ると強い痛みを感じることが多いです。
内部に膿がたまっているため、この膿が排出される際に強い臭いを放ちます。
また、膿瘍が破れると、さらに臭いが強くなることがあります。
虫歯や古い詰め物・被せ物
意外に思われるかもしれませんが、進行した虫歯や、劣化して隙間ができた古い詰め物・被せ物も、歯茎の臭いの原因となることがあります。
虫歯が臭いの原因となるメカニズム
大きな虫歯ができて歯に穴が開くと、その穴の中に食べカスや細菌がたまりやすくなります。
この食べカスや細菌が分解される際に、歯周病菌と同様に揮発性硫黄化合物が発生し、強い臭いを放つことがあります。
特に、神経まで達した虫歯の場合、歯の内部で神経が壊死し、腐敗することでさらに強い悪臭を発生させることがあります。
古い詰め物・被せ物が臭いの原因となるメカニズム
長年使用している古い詰め物や被せ物は、時間の経過とともに劣化し、歯との間にわずかな隙間が生じることがあります。
この隙間は、歯ブラシでは届きにくく、食べカスや細菌がたまりやすい環境となります。
隙間にたまった細菌は、そこで繁殖し、嫌な臭いを発生させます。
また、金属製の詰め物や被せ物の場合は、金属イオンが溶け出し、それが口臭の原因となることもあります。
磨き残しによるプラークの蓄積
最もシンプルでありながら、見過ごされがちな原因が、日々の歯磨き不足によるプラーク(歯垢)の蓄積です。
歯と歯茎の境目や、歯と歯の間、そして舌の表面には、常に細菌の塊であるプラークが付着しています。
このプラークが長時間口腔内に残っていると、細菌が食べカスを分解し、臭いの元となるガスを発生させます。
プラークと歯石の悪循環
プラークは、放っておくと唾液中のカルシウムと結合して硬い歯石になります。
歯石は歯ブラシでは除去できないため、その表面はザラザラしており、さらにプラークが付きやすくなります。この悪循環が、口臭を慢性化させる原因となるのです。
特に、歯茎の腫れや出血があると、歯磨きを避けてしまいがちになり、結果的に磨き残しが増え、臭いがさらに悪化するという負のループに陥ることがあります。
神保町野本歯科医院が提供する専門的なアプローチ
「歯茎の臭いを何とかしたい」
「でも、どうすれば良いのか分からない」
神保町野本歯科医院では、患者さま一人ひとりの状態に合わせた、専門的かつ丁寧な治療で、お悩みの解決をサポートいたします。
徹底した精密検査と的確な診断
歯茎の臭いの原因を突き止めるには、まず精密な検査と的確な診断が不可欠です。 当院では、マイクロスコープやレントゲン、口腔内カメラなどを活用し、お口の中の状態を詳細に把握します。
歯周ポケットの深さ測定
歯周病の進行度合いを正確に把握します。
歯周ポケットの深さ測定
歯周病の進行度合いを正確に把握します。
レントゲン検査
歯を支える骨の状態や、隠れた虫歯、根の状態などを確認します。
視診・触診
歯茎の腫れや出血、膿の有無、フィステルの状態などを細かく確認します。
伊藤公一先生監修!科学的根拠に基づいた「歯周病治療」
当院の歯周病治療は、歯周病予防の第一人者である伊藤公一先生(元日本歯周病学会 理事長)の監修を受けており、最新の歯科医療知識と科学的根拠(エビデンス)に基づいて構築されています。
伊藤先生は、長年にわたり歯周病の研究と臨床に携わり、日本における歯周病治療の発展に大きく貢献されてきた方です。
その豊富な知識と経験に基づいた治療プロトコルを導入することで、患者さま一人ひとりに最適な、質の高い歯周病治療を提供しています。
当院の歯周病治療のステップ
徹底的なクリーニング(SRP・デブライドメント)
歯周ポケットの奥深くにある歯石やプラーク、感染した組織を徹底的に除去します。
これにより、歯周病菌の数を減らし、炎症を鎮めます。
ブラッシング指導
ご自宅でのセルフケアが最も重要です。患者さま一人ひとりの口腔内の状態に合わせた、効果的な歯磨きの方法やデンタルフロス、歯間ブラシの使い方を丁寧に指導します。
薬物療法・再生療法
進行した歯周病には、必要に応じて抗菌薬を用いた薬物療法や、失われた歯周組織を再生させるための再生療法なども検討します。
定期的なメンテナンス
歯周病は再発しやすい病気です。治療後も定期的な検診とプロフェッショナルクリーニング(PMTC)を行うことで、再発を防ぎ、お口の健康を維持します。
精密な虫歯治療と根管治療
虫歯や古い詰め物が原因で臭いが発生している場合は、それらを根本的に治療します。
精密な虫歯治療
虫歯の大きさや深さに応じて、最小限の切削で健康な歯質を残しつつ、徹底的に虫歯を除去します。
精度の高い詰め物・被せ物
歯とぴったりと適合し、隙間ができにくいセラミックやジルコニアなどの審美性に優れた素材を用いた詰め物・被せ物をご提案します。
これにより、細菌の侵入を防ぎ、再発のリスクを低減します。
精密根管治療
歯の神経まで達した虫歯や、過去の治療が不完全な場合は、精密根管治療を行います。
当院では、肉眼では見えない根管内部を拡大視野で治療することで、感染源を徹底的に除去し、歯の寿命を延ばします。
これにより、歯の根の先端に膿がたまる「根尖性歯周炎」が原因の臭いも改善が期待できます。
歯茎の臭い、一人で悩まずご相談ください
「歯茎を触ると臭い」と感じることは、お口からのSOSかもしれません。
放置すればするほど、症状は悪化し、治療も大がかりになる可能性があります。
しかし、適切な診断と治療、そして日々のケアを行うことで、臭いを改善し、健康的で快適な口腔内を取り戻すことは十分に可能です。
神保町野本歯科医院は、患者さまのお口の健康を第一に考え、丁寧なカウンセリングと痛みに配慮した治療を心がけております。
歯茎の臭いにお悩みの方、口臭が気になる方は、どうぞお一人で抱え込まず、お気軽にご相談ください。
神保町野本歯科医院:https://nomodent5454.com/
〒101-0051 東京都千代田区神田神保町2-19-1 リーガルタワー神保町1F
電話:03-5276-5454
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都営地下鉄 神保町駅 徒歩1分