虫歯を疑う症状。虫歯の治療法。
2025/06/04
虫歯の症状、原因、治療法について
— してはいけないこと
— すべきこと
― コンポジットレジン修復
ー インレー治療
― クラウン治療
— 磨き残しが多い部位に注意
— デンタルフロスを用いる
― セルフケアと定期クリーニング
― 再治療リスクの低い治療を受ける
1 虫歯を疑う所見
虫歯は歯周病と異なり「歯自体に問題」があるため、自覚症状が出やすい傾向にあります。また、初期症状は軽いですが、進行するにつれて痛みが強く出てくるようになります。次のうち、いずれかに該当する場合は虫歯の疑いがあります。ひどくなる前に歯科医院に受診してください。
歯磨きをするとしみる、痛い
➜虫歯の可能性もありますが、虫歯以外の理由で歯に傷がついている場合もあります。
冷たい空気、水でしみる、痛い
➜虫歯の可能性もありますが、虫歯以外の理由で歯に傷がついている場合もあります。
➜虫歯の初期症状の可能性があります。早期発見のうちに対応しましょう。
熱い飲み物でしみる、痛い
➜虫歯が進行している可能性があります。冷たい水を飲んだ時に「痛みが緩和」する場合は、特に危険です。
噛むと痛い
➜虫歯が進行している可能性があります。
➜かみ合わせに問題があり、歯の根っこに炎症が起きている可能性があります。
寝ているときに痛い
➜虫歯が大きく進行し、すでに神経に感染を起こしている可能性があります。緊急で歯科医院を受診しましょう。熱い飲み物は避けましょう。
何もしなくても痛い
➜虫歯が大きく進行し、すでに神経に感染を起こしている可能性があります。緊急で歯科医院を受診しましょう。熱い飲み物は避けましょう。
2 虫歯になったら注意すること
虫歯になったらしてはいけないこと
できるだけ刺激を与える飲食を控える
虫歯の進行度合いによって変わりますが、初期は「冷たい飲み物」に敏感に反応しやすく、進行すると「熱い飲み物」に敏感に反応する傾向があります。できるかぎり刺激しやすい飲み物の摂取は控えましょう。
歯磨きをゴシゴシしない
虫歯に限らず、痛い時や沁みる時などの症状がでるときに、ゴシゴシと磨いてしまう方が多いですが、刺激を与えることが悪化させることにつながるため、「ゴシゴシ」磨かず、「そっとしてく」ことのほうが重要です。
虫歯になったらすべきこと
患部をなるべく刺激しないように保つ
近隣の歯科医院に受診をしましょう。
*時間がないときでも、処方薬を出してもらうことで、一時的に痛みが治まることがほとんどですので、まずは受診することが大切です。
3 虫歯の治療法
小さな虫歯:コンポジットレジン修復
小さな虫歯の場合、虫歯を取り除いた後に、コンポジットレジン(歯科治療用の樹脂)を詰めます。
利点:即日で終わり、痛みもほとんどない
欠点:変色しやすい、割れやすい、歯垢がつきやすい
*かみ合わせが強い奥歯の場合、噛んだ時に割れることがある。
中等度の虫歯:インレー治療
中等度の場合、コンポジットレジンでは強度的観点で予後が不安定になりやすく、虫歯の再発率も高まってしまうため、技工物(型をとり、その型に応じて歯科技工士がラボで製作した物)を後日ぴったりと装着する治療を行います。この治療を「インレー治療(部分的な欠損を補う治療)」と呼びます。
利点:精密に封鎖できる、割れることが少ない
欠点:最低でも2回の来院が必要となる、一定の費用がかかる。
大きな虫歯:クラウン治療
大きな虫歯になると、虫歯を取り除いた後は、歯が大きく削られているため、非常にもろい状態となっています。このような場合は、歯全体を覆う「クラウン治療」を行います。
利点:歯を守ることができる、咬み合わせを保てる。
欠点:最低でも2回の来院が必要となる、一定の費用がかかる。
*保険適応の「銀歯」は虫歯菌の再発を起こしやすく、歯自体に負担をかけるデメリットも大きいため、適応できる部位と適応できない部位が存在します。とりわけ、隣の面まで及ぶ虫歯や、神経に近接している場合の虫歯においては、銀歯治療自体が予後を悪くする原因となってしまうことも多く、当院ではその状況に応じて、最適な対応を推奨しています。
4 虫歯の原因と対策
私たちが摂取した飲食を歯ブラシで磨いても、実は取り残しがあるものです。その歯面についた磨き残しの部分に、虫歯菌が付着し、酸を出して歯を溶かします。これが虫歯ができるメカニズムです。したがって、磨きにくい箇所を見極め、そこをしっかりと磨くことを意識することが大切です。
磨き残しが多い部分
奥歯の歯の咬み合う部分の溝
歯と歯の間
歯茎が下がった部分の面(=象牙質:軟らかいため虫歯になりやすい)
歯と歯の間は「フロス」を用いる
特に虫歯になりやすい箇所として「歯と歯の間」があげられます。この部位は歯ブラシが届かないため、必ず「フロス」を用いてケアをすることが大切です。これは夜眠る前に行うだけでも効果的です。
セルフケアと定期クリーニング
大切なことは、「正しいお口のケア」をご自宅で毎日行う事です。そのためには、歯磨きの回数よりも、歯磨きの質を高めることが大切です。そして、歯ブラシと併用して「デンタルフロス」を用い、歯と歯の間を丁寧に磨くことが重要です。
また、どうしても「しっかり磨いたつもり」でも、実際には磨き残しが生じるため、定期的に歯医者に行き、定期健診、クリーニングを受けることが大切です。
「痛くなったら歯医者に行く」のではなく、「痛くならないように歯医者に行く」を習慣にすることがカギです。
*実際に当院の患者様も、その多くが「痛い」ということがありません。それは定期的にご来院いただき、事前にケアを行っているためです。
再治療リスクの低い治療を受ける
虫歯治療の最大の問題は、健全な歯もある程度は削らなければならないということです。それは「強度」の問題もそうですし、「再発リスク」を抑える観点でもあります。そのため、一度虫歯になってしまった歯というのは、治療をしてもリスクが高い状態が続きます。したがって、できる限り「リスクを下げるための治療」を受けることが大切です。
大切なご自身の歯を生涯に渡り機能させるためにも、歯医者さんとしっかりと話し合い、後悔のない対応をしてもらうことが大切です。
神保町野本歯科医院 野本幸平
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