前歯の欠け。治療したのにすぐに取れるのは歯科医師が下手だから?原因と対策について

      2025/09/19

神保町野本歯科医院で、前歯の欠けを治したのに、すぐに取れてしまうケースについて解説

こんにちは、神保町駅徒歩1分の歯医者、神保町野本歯科医院です。

「せっかく前歯の欠けを治したのに、すぐに取れてしまった…」

このようなトラブルを経験された方もいらっしゃるかと思います。

前歯は、お食事をする時だけでなく、笑ったり話したりする時にも目立つ場所。
それだけに、治療した部分が取れてしまうと、見た目が気になってしまい、落ち込んでしまう方も多いのではないでしょうか。

「もしかして、治療した歯医者さんの腕が悪いのかな?」

そう思ってしまうのも無理はありません。

しかし、歯科医師として正直にお伝えすると、前歯の治療は、奥歯の治療よりもずっと難しいのです。
そして、すぐに取れてしまうのには、ちゃんとした理由があります。

この記事では、前歯のレジン(歯科用プラスチック)がなぜ取れやすいのか、その理由を詳しく解説し、どうすれば治療が長持ちするのか、そして再治療を繰り返さないための最適な方法についてもお話しします。

 

前歯の治療が「奥歯の治療より難しい」と言われる理由

神保町野本歯科医院で、前歯の欠けを治したのに、すぐに取れてしまうケースについて解説

まず、大前提として知っておいていただきたいことがあります。
それは、前歯の治療は、奥歯の治療とは全く違うということです。

奥歯は、主に食べ物を噛み砕くための機能が重要です。
一方、前歯は、食べ物を噛み切るだけでなく、発音や見た目、口元の印象を大きく左右する役割を担っています。
そして、治療の際に考えなければならないことがたくさんあります。

 

1. 審美性(見た目の美しさ)

神保町野本歯科医院で、前歯の欠けを治したのに、すぐに取れてしまうケースについて解説

奥歯は、銀歯などでも機能が果たせれば問題ない場合が多いですが、前歯はそうはいきません。
色、透明感、形、そして周囲の歯との調和まで、あらゆる要素を考慮して治療を進める必要があります。

レジンを詰める場合でも、ただ単に穴を埋めるだけでなく、天然の歯の色にぴったり合うように何色かのレジンを重ねていかなければなりません。
この作業は、歯科医師の美的センスと技術が問われる非常に繊細なものです。

 

2. 噛み合わせの複雑さ

神保町野本歯科医院で、前歯の欠けを治したのに、すぐに取れてしまうケースについて解説

「前歯はそんなに強く噛まないのでは?」

と思われるかもしれませんが、実はそうではありません。
特に、食事の際に食べ物を噛み切る際には、強い力がかかります。

また、噛み合わせの力は、まっすぐ下からかかるのではなく、斜めにかかることがほとんどです。
この斜めの力は、レジンが剥がれたり、取れたりする原因になりやすいのです。

 

3. 唾液による影響

奥歯に比べて、前歯は唾液がたまりやすい場所に位置しています。
レジンは、治療の際に唾液や水分が少しでも入ると、接着力が著しく低下してしまいます。

完璧な環境下で治療を行うために、歯科医師は様々な器具を駆使して治療を進めますが、それでも唾液の影響を完全にゼロにすることは非常に難しいのです。

 

前歯のレジンが「すぐ取れる」理由

では、具体的にどのような理由で前歯のレジンは取れやすいのでしょうか。
多くの患者さんが経験する「取れてしまう」現象には、複数の原因が複合的に絡み合っています。

 

理由1:治療直後には見えない「マイクロスコープレベルの隙間」

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レジンは、光を当てて固まるプラスチックの一種です。
この固まる際に、ごくわずかに収縮するという性質を持っています。

この収縮は、肉眼では見えないほどのほんのわずかなものですが、この収縮によって、歯とレジンの間に「マイクロスコープレベルの隙間」ができてしまうことがあります。
この隙間は、お食事の際に加わる力や、歯磨きの際の摩擦などによって、徐々に広がり、最終的にレジンが剥がれてしまう原因となります。


当院の取り組み
このわずかな隙間をなくすために、レジンを一度に詰めるのではなく、何層にも分けて光を当てて固める「積層充填法」を採用することで、収縮を最小限に抑え、より密着度の高い治療を心がけています。

 

2. 噛み合わせによる「過剰な力」

神保町野本歯科医院で、前歯の欠けを治したのに、すぐに取れてしまうケースについて解説

前述したように、前歯は噛み切る際に非常に強い力がかかります。
また、寝ている間の歯ぎしりや食いしばりなど、無意識のうちにかかる力も、レジンにとっては大きな負担となります。

特に、レジンは天然の歯よりも硬さが劣るため、噛み合わせが強い方は、レジンの部分に力が集中してしまい、欠けたり、取れたりするリスクが高くなります。


当院の取り組み
当院では、レジンを詰める前に、噛み合わせのチェックを徹底的に行います。
患者さんの噛み癖や歯ぎしりの有無などを詳しくヒアリングし、レジンに過剰な力がかからないように、噛み合わせを細かく調整します。
また、就寝時の歯ぎしりが原因と考えられる場合には、マウスピースの作成をお勧めするなど、根本的な原因へのアプローチも重視しています。

 

3. 唾液や出血による「接着不良」

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レジンは、乾燥した状態で歯に接着させる必要があります。
しかし、前歯の治療では、唾液腺が近くにあることや、治療する部位によっては歯肉からの出血があることも珍しくありません。
ほんの少しでも唾液や血液が混入してしまうと、接着力が著しく低下し、治療後すぐに取れてしまう原因となります。


当院の取り組み
当院では、治療を行う際に、綿球や吸湿剤を適切に配置することで、唾液や血液の混入を徹底的に防ぎ、乾燥した環境下で確実な接着を実現しています。

 

4. そもそも「レジンが適していない」ケース

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レジンは非常に優れた治療法ですが、万能ではありません。
例えば、欠けている範囲が非常に大きい場合や、歯の裏側にまで欠けが及んでいる場合、あるいは強く噛みしめる癖がある方には、レジンだけでは十分な強度を保つことが難しい場合があります。

この場合、無理にレジンで修復しても、すぐに取れてしまったり、再治療を繰り返すことになり、かえって歯を削る量が増えてしまうこともあります。


当院の取り組み
当院では、患者さんの歯の状態を詳細に診察し、レジンが本当に最適な治療法なのかを丁寧に説明します。
場合によっては、より強度が高く、審美性にも優れたセラミック治療をお勧めすることもあります。
患者さんにとってベストな治療法を一緒に考え、納得していただいた上で治療を進めていきます。

 

「レジンが取れないようにするには?」患者さんご自身ができること

「レジンが取れやすい理由」を知って、がっかりされた方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、歯科医師の技術や設備に加えて、患者さんご自身のセルフケアや習慣によって、レジンを長持ちさせることができます。

 

治療後は「硬いものを前歯で噛まない」
治療直後のレジンは、完全に硬化するまでに少し時間がかかることがあります。
また、レジンは天然の歯に比べて硬さが劣るため、治療後はせんべいやお餅、氷など、硬いものを前歯で噛むのは避けるようにしましょう。

定期的な歯科検診とクリーニング

レジンの周りには、プラーク(歯垢)が溜まりやすい傾向があります。
プラークが溜まると、レジンと歯の境目が虫歯になりやすく、これが原因でレジンが取れてしまうこともあります。
定期的に歯科医院でクリーニングを受け、レジンと歯の境目の状態をチェックしてもらうことで、トラブルを未然に防ぐことができます。

歯ぎしりや食いしばりの癖を意識する
日中の食いしばりや、就寝中の歯ぎしりは、レジンに大きな負担をかけます。
もし、ご自身にそうした癖があると感じる方は、まずはその癖を意識して、日中は力を抜くように心がけてみましょう。
就寝中の歯ぎしりについては、歯科医師に相談し、マウスピースの作成を検討するのも一つの方法です。

 

「もう取れたくない…」再治療を繰り返さないための最適な選択肢

「もう何度もレジンで治しては取れて…というのを繰り返したくない」

そうお考えの方も多いのではないでしょうか。
そんな方には、レジンよりも強度が高く、長期間にわたって安定した状態を保つことができるセラミック治療をご検討いただくことをお勧めします。

 

セラミック治療のメリット

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圧倒的な強度と耐久性
セラミックは、陶器の一種で、天然の歯とほぼ同じくらいの硬さを持っています。
そのため、噛む力に強く、欠けたり、取れたりするリスクが格段に低くなります。

審美性の高さ
セラミックは、天然の歯のような透明感や光沢を再現することが可能です。
周囲の歯の色に合わせて調整できるため、どこを治療したのか、ほとんどわからないくらい自然な仕上がりになります。

経年劣化が少ない
レジンは、時間とともに水分を吸収して変色したり、ツヤが失われたりすることがあります。
しかし、セラミックは吸水性がほとんどないため、長期間にわたって美しい色とツヤを保つことができます。

虫歯になりにくい
セラミックは、表面が滑らかでプラーク(歯垢)が付着しにくいため、虫歯のリスクが低いというメリットもあります。

 

神保町野本歯科医院が大切にしていること

神保町野本歯科医院で、前歯の欠けを治したのに、すぐに取れてしまうケースについて解説

当院では、患者さん一人ひとりのライフスタイルや歯の状態を丁寧にヒアリングし、患者さんにとって最適な治療法を提案することを最も大切にしています。
「また取れた…」という悲しい経験を繰り返してほしくない、その一心で日々診療にあたっています。
もし、前歯の欠けや、レジンが取れてしまうことにお悩みでしたら、ぜひ一度、当院にご相談ください。

「セラミックは費用が高いんでしょ?」
「自分にはどんな治療法が合っているんだろう?」

どんな小さな疑問でも構いません。
丁寧なカウンセリングと精密な検査を通じて、患者さんの悩みに寄り添い、一緒に解決策を見つけていきたいと考えています。
あなたに合った治療法で、自信を持って笑顔になれる口元を取り戻すお手伝いをさせていただければ幸いです。

 



神保町野本歯科医院:https://nomodent5454.com/

〒101-0051 東京都千代田区神田神保町2-19-1 リーガルタワー神保町1F
電話:03-5276-5454

電車でお越しの方:
都営地下鉄 神保町駅 徒歩1分

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