歯磨き粉は必要か? そのメリット、デメリット

      2025/06/11

今回のテーマは「歯磨き粉」です。いろいろな方から「どんな歯磨き粉がいいですか?」とか、「歯磨き粉をつけてから良く磨けているような感じがします」というお声をいただきます。

今回は、歯磨き粉のメリットとデメリット、使い方についてお伝えいたします。

 

1 歯磨き粉には様々な成分が含まれている

歯磨きの成分にはいろいろなものがあります。

 

歯磨き粉に含まれている成分の代表的なもの

研磨成分:歯の表面の着色を落とす効果

フッ化物の成分:虫歯予防効果

発泡成分:歯磨き粉を口内に拡散させる

知覚過敏抑制の成分:歯がしみる場合に、刺激を弱める効果

歯磨き粉のメリットは、「フッ化物」による虫歯抑制効果や、「研磨成分」により歯の表面の着色を綺麗に落とす効果、しみやすくなってしまった時などに、「硝酸カリウム」などの知覚過敏を抑制する効果などがあります。ただし、これらの成分は、各々の歯磨き粉により、組成は異なってくるため、裏面の成分表を確認することが大切です。

 

2 歯磨き粉は、磨いたつもり(磨いた感)がある

 

「歯磨き粉をつけてから、磨けている感じがする」というお声をいただくことがあります。しかし、実際には「感じがする」だけの場合があります。それは歯磨き粉特有の「泡立ち効果」によります。お口の中に泡立つように歯磨き粉があふれてくるため、なんとなく「磨いた感」が出てしまうのです。

実際には磨き残しが多い場合にも、お口全体に広がっている感覚があるため、「しっかり磨けている!」という感覚が生じます。その結果、何もつけていないブラッシングと比べると、「丁寧さにかける」ということが起こりやすくなります。

したがって、歯磨き粉を使うときには、付けていないときと同様に、「1本1本を丁寧に磨く」という心掛けが大切になります。

 

3 目的に沿って使うことが大切

歯磨き粉には様々な成分が含まれているため、現在のご自身のシチュエーションに応じて選択することが大切です。

知覚過敏の方には

歯磨き粉の成分の中に「薬用成分」として、硝酸カリウム乳酸アルミニウムが入っているものは、知覚過敏を抑制する効果が期待できます。そもそも知覚過敏というのは、歯の組織(象牙質)が強いブラッシングなどで壊れてしまい、その結果として、「歯の内部の神経」に刺激が伝わりやすくなるために生じるものです。これらの薬は、「その刺激の遮断効果」があるため、しみにくくなります。

ただし、その後も「強く磨き続けてしまう」と効果が出にくくなります。したがって、知覚過敏の方は「弱い力で、軟らかい毛先の歯ブラシを用いること」が重要です。そして、できるかぎり「研磨剤の成分が少ない」ものを使用することを推奨します。例として「ジェル剤」などは研磨剤の成分が少ない傾向にあるため、歯に優しい効果があります。

 

歯の着色が強い方には

一方で、歯の表面の着色が強い方の場合は、研磨剤がしっかり含まれている歯磨き粉を使用すると良いでしょう。ただし、この場合も強く磨きすぎることは歯の損傷にもつながりますので、やや弱めの力で歯ブラシをすることが大切です。それでも知覚過敏を感じる場合には、歯医者さんに相談をし、もっともベストな対応、ブラッシング方法を考えていくことが大切です。

 

まとめ

歯磨き粉を使うことで、虫歯予防効果や着色除去効果が上がり、その点は非常に大きな意味があります。その一方で、磨き残し(磨いたつもりになるため)や知覚過敏(強く磨くことで研磨されるため)のリスクがあることを意識することで、より一層、歯磨き粉を使ったブラッシングの効果があがるでしょう。

神保町野本歯科医院 野本幸平



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