自分で歯石を取るのは可能?「爪やつまようじ」で歯石が取れてしまったら?

      2025/11/18

神保町野本歯科医院で、自分で歯石を取る方法について解説

神保町駅徒歩1分の歯医者、神保町野本歯科医院です。

「鏡を見たら歯石がついていたので、自分で取ろうとした」
「ネットで売っている器具を買って、ガリガリやっています」

このようなお話を聞くことがあります。

歯石は見た目にも気になりますし、歯ブラシでは取れないため、「自分で何とかしたい」と思うお気持ちはよくわかります。
しかし、歯石を自分で除去する行為は、歯と歯ぐきを深刻に傷つけ、かえって歯周病を悪化させてしまう可能性もあります。
この記事では、そして、歯石を安全かつ効果的に除去し、歯周病を防ぐための方法について、詳しく解説します。

 

なぜ「自分で歯石を取る」のは危険なのか?

歯石を自分で取ろうとする方がいますが、それはプロの技術と専用の器具がなければ、重大なリスクを伴います。

 

歯ぐきと歯周組織への意図せぬ損傷

神保町野本歯科医院で、自分で歯石を取る方法について解説

市販の歯石取り用の器具(スケーラーなど)は鋭利なものが多く、操作を誤ると歯ぐきに予期せぬダメージを与える可能性があります。

歯ぐきの刺激
器具の先端で健康な歯ぐきを傷つけてしまうと、そこから細菌が侵入し、炎症を引き起こしたり、悪化させたりする原因となることが考えられます。

歯周ポケットの環境変化
歯と歯ぐきの間のデリケートな組織(付着)を器具で乱暴に扱うと、歯周ポケットが深くなるきっかけを作ってしまう可能性があります。
深くなったポケットは、細菌が繁殖しやすい環境となります。

 

歯の表面(エナメル質)への不必要な負担

神保町野本歯科医院で、自分で歯石を取る方法について解説

歯石は非常に硬いため、除去する際に器具を歯の表面に強く当てすぎたり、不適切な角度で使用したりすると、以下のような問題が生じる場合があります。

表面の粗造化
歯の表面(エナメル質)を削ってしまうと、その部分がわずかに粗くなり、汚れや細菌が以前よりも付着しやすくなることが懸念されます。

知覚過敏のリスク
特に歯の根元付近を削ってしまうと、神経に近い象牙質が露出し、冷たいものがしみる知覚過敏を引き起こす可能性があります。

 

「目に見えない歯石」が残り、問題が持続する

神保町野本歯科医院で、自分で歯石を取る方法について解説

自分で鏡を見ながら取れる歯石は、歯ぐきの上に出ているごく一部の「縁上歯石」だけです。

真の原因の放置
歯周病を進行させる主な原因となる歯ぐきの中に隠れた「縁下歯石」は、ご自身では確認も除去もできません。

結果的に問題が長引く
見える部分だけ取り除こうとしても、歯石が中途半端に残り、そのザラザラした表面にさらに汚れが付きやすくなり、問題が長引くことにつながります。

 

不可ではないけれど...「自己除去」の限界と「プロのケア」の必要性

自分で歯石を取ることは、物理的に不可能ではありません。
硬い器具を使えば、歯ぐきの上にある一部の歯石を剥がすことは可能です。
しかし、歯科医師としては、それをお勧めすることはできません。
その行為は、一時的な見た目の改善と引き換えに、長期的な歯の健康にリスクをもたらす可能性があるからです。

 

「手先の感覚」の限界:縁下歯石は完全に見えない敵

ご自身で取れるのは、鏡で見える「縁上歯石」のごく一部だけです。
しかし、真に歯周組織を破壊しているのは、歯周ポケットの奥深くにある「縁下歯石」です。

比較項目 自己除去の限界 プロのケアの精度

ターゲット

表面に露出した歯石のみ

歯周ポケット内部の縁下歯石を含むすべて

使用する感覚

視覚のみ(不正確)

熟練した手先の触覚(盲目下の繊細な判断)

清掃の深度

歯ぐきから上の浅い部分

歯周ポケットの底まで確実に到達

確認方法

なし

歯周プローブやレントゲンによる客観的な確認

プロのメンテナンスは、光が届かない歯周ポケットの内部で、歯の根のデコボコや歯石の付着具合を指先の触覚(タクタイルセンシビリティ)で判断し、歯や歯ぐきを傷つけずに歯石を削り取ります。
この技術は、市販の器具で再現できるものではありません。

 

「歯面を傷つけない」という最重要課題

歯石を取る目的は、単に塊を取り除くことではありません。
歯石が取れた後の歯の表面を、いかに傷つけずにツルツルに仕上げるかが最も重要です。

自己除去の場合
硬い器具で無理に剥がすと、歯の表面に微細な傷(スクラッチ)ができます。
この傷は、細菌が付着するための足場となり、以前よりも歯石ができやすく、虫歯になりやすい状態を作り出してしまいます。

プロのケアの場合
超音波スケーラーで歯石を砕いた後、ルートプレーニング(根面の滑沢化)という工程で、根の表面を磨き上げます。
さらに、専用のペーストと機器(PMTC)で歯面を仕上げ、プラークの再付着を強力に防ぎます。

 

歯周病の進行度を判断するリスク管理

自己除去で歯石が取れたとしても、それは歯周病の進行度が「自分で取れてしまうほど深刻な状態」であるサインである可能性があります。
歯科医院では、歯石除去と同時に歯周ポケットの深さ、骨の吸収度、動揺度などを総合的に検査し、治療計画を立てます。
このリスク診断と治療計画の策定こそが、自己除去では絶対に得られない、プロのケアの核となる部分です。

 

【緊急対処法】もし「爪やつまようじ」で歯石が取れてしまったら?

神保町野本歯科医院で、自分で歯石を取る方法について解説

「つまようじで触っていたら、ポロッと硬い塊が取れた」
「爪でカリカリやっていたら取れてしまった」

という経験をされる方もいます。
これは、歯石が非常に大きく、歯周病の進行で歯と歯ぐきの付着が緩んでいる場合によく起こります。
意図せず歯石が取れてしまった場合は、以下の手順で対処してください。


取れた部分を「不必要にいじらない」
取れた歯石があった部分は、歯ぐきが傷ついているか、深い歯周ポケットの入り口である可能性があります。
指や舌、他の器具で触ったり、さらに奥をいじったりすることは避けてください。

うがい薬で優しくうがいをする
取れた部分の刺激を和らげるため、刺激の少ないうがい薬(なければ水でも可)で優しくうがいをしてください。
強い力でのうがいは避けます。

歯ブラシは優しく当てる
取れた部分の歯ぐきは敏感になっています。歯磨きの際は、その部分を避けず、歯ブラシの毛先を極めて優しく当てるようにしてください。
強いブラッシングは、歯ぐきへの負担を高めます。

速やかに歯科医院で診察を受ける(最もお勧めします)
歯石がポロッと取れたということは、歯周病が進行している可能性を示すサインである場合があります。
見えている歯石が取れても、その下には必ず目に見えない「縁下歯石」が残っています。
一刻も早く歯科医院に来院し、専門的な検査と残りの歯石の確実な除去、そして歯ぐきの状態のチェックを受けてください。

 

科学的根拠に基づく神保町野本歯科医院の予防プログラム

神保町野本歯科医院で、自分で歯石を取る方法について解説

当院は、単に歯石を取るだけでなく、再発を防ぐことに重点を置いた、科学的根拠(エビデンス)に基づく歯周病治療を提供しています。
特に、当院の歯周病治療は、歯周病予防の第一人者である伊藤公一先生(元日本歯周病学会 理事長)の監修を受けており、最新の歯科医療知識に基づいてプログラムが構築されています。
神保町で忙しく働く患者さまの口腔内環境を守るため、安全と効果を重視した以下のステップで予防を行います。


精密な診断と初期治療
伊藤先生の監修に基づき、精密な検査と診断を行います。
歯周ポケットの深さや骨の状態を確認後、歯周病の根本原因である縁下歯石を細心の注意を払って、徹底的に除去します。

PMTCとセルフケアの指導
歯石除去後、専用の機器で歯面をツルツルに磨き上げ、プラークが付着しにくい環境を整えます。
また、患者さま一人ひとりの状態に合わせた最適なブラッシング指導を行い、セルフケアの習慣化をサポートします。

オーダーメイドの定期的なメンテナンス
歯周病は再発しやすい病気です。当院では、患者さまのリスクに応じて、1ヶ月~3ヶ月に一度の定期的なクリーニングと検診を推奨しています。
伊藤先生の提唱する予防の考え方に基づき、常に清潔な口腔内環境を維持し、長期的な健康をサポートします。

 

結論:安全と健康のために、私たちプロにお任せください

神保町野本歯科医院で、自分で歯石を取る方法について解説

「自分で歯石を取る」という行為は、一時的な解決策に見えるかもしれませんが、その結果、ご自身の歯や歯ぐきに不必要な負担をかけ、貴重な歯の健康を損なうリスクを招きかねません。
安全かつ確実に歯石を除去し、大切な歯周組織を守るためには、歯科医院での専門的なケアが不可欠です。

「最近歯石が気になる」
「歯ぐきが腫れているかもしれない」

と不安を感じている方は、どうぞお一人で解決しようとせず、すぐに私たち神保町野本歯科医院にご相談ください。
あなたの健康と笑顔を守るため、責任を持ってサポートさせていただきます。

 



神保町野本歯科医院:https://nomodent5454.com/

〒101-0051 東京都千代田区神田神保町2-19-1 リーガルタワー神保町1F
電話:03-5276-5454

電車でお越しの方:
都営地下鉄 神保町駅 徒歩1分

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