歯石を取ったら歯がしみるのはなぜ? 歯がグラグラするのはなぜ?

      2025/06/24

歯石を取ったら歯がしみるのはなぜ?

 

「歯石をとったら、歯がしみるようになった」
「歯石をとったら、歯がグラグラするようになった」

 このような声を聴くことがあります。これはなぜ生じるのか?

今回はこの点についてお伝えします。

 

 

1 歯石とは何か?

 

食後、歯に付着した「食べかす」の内部で細菌が繁殖し、およそ「8時間」歯垢(プラーク)になります。

これが石灰化(硬化)したものを「歯石」と呼びます。

(*歯垢が歯石になるまでの時間は、「48時間」です)

大切なことは、歯石になる前に歯磨きを行い、プラークの段階で適切に除去することです。

なぜならば、「歯石」になってしまうと、いくら歯磨きをしても除去できないためです。

 

いかにして歯石をとるのか?

神保町の歯医者、神保町野本歯科医院で歯石とりの痛みについての解説

歯石は「スケーラー」という特殊なインスツルメントを用いて除去できます。これは歯科医院でしか行うことができないため、定期的に歯科医院に来院し、歯石を除去する習慣が重要です。

 

2 歯石を取ると「しみる」理由

(写真1)

 

歯石を除去した分、歯の厚みが薄くなるため

歯石というのは、元々は歯に存在しないものです。除去できなかった歯垢(プラーク)が硬化し、それが歯面に付着してしまったものです。したがって、元々なかったものを歯面から剥がすこと(写真1)に等しいため、その分厚みを失った歯が、以前よりもしみやすくなるというメカニズムになります。

 

歯茎の炎症が引き、歯の根面が露出するため

歯石は細菌源です。その歯石がもっとも付着しやすい部分が「歯茎の内部」です。これを除去することで、これまで炎症を起こしていた「歯茎」の炎症が徐々に消退していきます。そのため、炎症により大きく腫れていた歯茎が、本来の正常な形に戻るため、そのプロセスにおいて「歯茎の退縮」が生じます。歯茎が退縮することにより、歯の根面が若干露出することになります(個人差があります。重症度が高い人ほど歯茎が下がります)。その結果、一時的な知覚過敏の症状を起こすことにつながります。 

*この2つの場合は、いずれも正常な反応のため、少し時間を置くことで、しみることが緩和してきます。それでも緩和しない場合は、歯科医院で、しみにくくなる薬を歯面に塗布してもらうことを推奨します。

 

3 歯石を取ると「グラグラする」理由

歯石を取ると歯がグラグラする場合は、相当に歯周病が重度の場合に限ります。歯石は歯に付着しているため、その歯石量が多ければ多いほど、それはいわば「歯の固定源」になりえます。つまり、本来は歯周病で「歯を支える骨」を失い、グラついていた歯だったものが、歯石が歯と歯の間にびっしりと付着しているために、歯を固定する役割を果たしていたのです。したがって、その歯石を除去することは、固定源の除去に等しいため、歯がグラグラしてきます。

クリーニング後に、前歯のグラグラがひどい場合には、噛み合うときに「強くぶつからない」ための噛み合わせの調整も1つの選択肢になってきます。まずは主治医に相談することが大切です。

 

まとめ

歯石のコントロールのためには、毎日の歯磨き習慣により「歯垢(プラーク)」を除去(コントロール)することです。これを専門的に「プラークコントロール」と呼びます。100%しっかり磨いたつもりでも、ほぼ確実にプラークは残っています。

いかにプラークコントロールできているかどうかが、歯の健康を保つために重要です。そして、歯石になってしまったものは歯磨きでは除去できないため、必ず定期的に歯科医院で歯石を除去することが大切です。

神保町野本歯科医院 野本幸平



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