なぜフロスを使うのか? 歯ブラシだけでは歯周病のケアはできない理由

      2025/06/13

なぜフロスを用いるべきか?

歯のケアに用いるものの筆頭は「歯ブラシ」ですが、実はそれと同じくらい「フロス」も重要なツールになります。

1 なぜフロスを用いるべきか?

歯ブラシというのは、主に「歯の表面」を綺麗に磨くことに適しています。一方で、歯と歯の間や、歯茎の中に隠れている歯面を磨くことは難しい傾向にあります。このような「歯と歯の間」や「歯茎に隠れている歯面」こそ、プラークが溜まりやすく、虫歯の再発、歯周病の悪化につながる場所になります。

歯茎に隠れている部分の歯面とは?

(絵1)

絵Ⅰを見てください。「黄色の線」で強調された箇所があります。この部分こそが、「歯茎に隠れている歯面」を指します。そしてこの部分の磨き残しが歯周病や2次的な虫歯の大きな原因になっていきます。

 

では、もう少しクローズアップして見ていきましょう。

(絵2)

 

2の左は、「隣の歯から見た時」を表しています。見ての通り、歯というのは全部が露出しているわけではなく、歯茎に覆われている部分が存在します。この部分を「前から見た時」が右の絵です。

通常、フロスを使う方は、歯が露出している部分に限局した掃除をしがちです。しかし、実際には「歯茎に隠れている部分(≒深いところ)」までフロスを入れることが大切です。なぜならば、そこにこそプラーク(歯垢)が溜まっているからです。

2 フロスの使い方

(絵3)

 

フロスを用いる時は、「歯と歯の間に入れるとき」も重要です。この点はこちらの記事をご確認ください。フロスを入れた後は、まずは「絵3」にある所まで入れ、さらに深く「歯茎に隠れている部分」までフロスを下げて掃除する必要があります。

デンタルフロスの入れ方、磨き方

左右に動かして中に入った後は、いよいよフロスで磨いていきますが、この時磨くのは歯茎ではなく、歯の側面です。したがって、左右の歯の側面を磨くように、フロスを動かします。そのポイントは、上下に動かすことです。

 

フロスをどこまで入れるか?

(写真1)

写真1にあるように、歯茎の中までフロスを入れ、普段は歯茎に隠れている歯の側面を清掃します。

どこまで深く入れるかのポイントは「痛みを感じない所」までです。少しでも痛みを感じた場合は、入れすぎのため、あくまで痛みのない所まで入れましょう。

また、痛みを感じる時には、「歯ではなく、歯茎にフロスが当たってしまっている」可能性があり得ますので、必ず、歯面を磨くという意識を持ちましょう。そして、決して強く磨かず、ゆっくりと優しく動かすことが大切です。

神保町野本歯科医院 野本幸平

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