抜歯は嫌です!

 

本日も当院をご利用いただきありがとうございます。

神保町は歯科医院がたくさんありますので、患者様が判断を迷わないためにも、それぞれの特色を生かした診療を実施していく必要があります。当院では「優しい対応」「耳を傾ける対応」「痛みの少ない対応」を重視しています。

歯科医師が最も判断に困るものの1つとして、「抜歯」がございます。

先日も、抜歯をしたほうが良い歯がございましたが、

「抜歯」の「抜」という言葉を出した瞬間に、

「いや~、抜歯は嫌だねぇ。ポンポン抜かれるのは嫌だね~」

このように「抜歯は嫌!」と表明をされる方は少なくありません。

当然です。私も患者様の立場であれば「嫌」です。

しかしながら、医療には「適応症」というものがございます。

明らかに揺れがひどく(歯科では歯の揺れを「モビリティ0~3」で分類)、噛むたびに動いてしまうような歯の場合、もはや存在していることが、痛みを誘発することにつながり、抜歯をしたほうが良い場合も多くあります。

とはいえ、このような時は判断をすぐに出すことはいたしません。

第1に「患者様が望まれること」を伺い、その上で、「事実」をマイルドにお伝えし、経過観察をします。

「~さん、これは抜歯の適応だからね、今抜歯しちゃいます。いいですな !」

そういって、患者様の意向を聞かずに抜歯をしてしまえば、二度とその方は来院されないでしょう(当然です)。これは患者様の意向を完全に無視した対応であり、論外でしょう。その上、口コミに「とんでもねぇ歯科医院」と書かれてしまうのがおちです。これまた当然です。

だからこそ、このような「患者様にとって大切な決断」に際しては、たとえ「医学的には今すぐ対応すべき」ことであっても、命にかかわらないことであれば、「時間を待つ」という選択も行います。

昨日も「いやぁねぇ先生、抜きたくないの、ワタシは」という方がいらっしゃいました。

「そうですよね。~さんのお気持ち、よくわかります。少し経過観察をしましょう」

このようにお伝えするようにしております。

患者様対応において、命にかかわらないことであれば、「考える猶予」を与えることはむしろ大切なことだと考えております。

「患者様は、感情を持った生体です」

これは私の師匠の一人で、日本の歯科界のトップランナー「小宮山彌太郎先生」のお言葉です。嚙み締めていきたいと思います。

神保町 野本歯科医院

*神保町野本歯科医院では、「クリーニング」で歯を予防し、「ホワイトニング」でモチベーションを高め、歯の健康を保つことを重視しています。