歯の「定期健診」とクリーニングは、潜在的な歯の問題の早期発見と予防のために不可欠な診査です。どんなに一生懸命にブラッシングをしても、取り残しや歯石は生じてしまいます。そのため、100%メインテナンスをご自宅でできている方であっても、歯科医院での定期健診は不可欠となります。
❏歯の健康と全身の健康に不可欠
定期的な歯科検診の重要性は、いくら強調してもし過ぎることはありません。健康なお口の環境は、全身の健康に大きくつながるためです。お口の環境が悪くなると、お口の中には、「身体へ悪影響を及ぼす菌」が増殖します。この菌が、食事をするときに全身に入り、様々な悪影響をもたらすきっかけになることがわかっています。それらは「動脈硬化」や「認知症」(歯周病菌による)の原因にもなることが判明しています。
このように、長寿社会の現代においては、歯の健康の維持は、「歯」そのものを守ると同時に、全身を守るという意味においては、極めて重要な役割を持ちます。
❏健診で行う検査
・視診:目とモニターで確認します
・触診:触って確認します
・歯茎の検査:歯周病の状態を確認します
・X線検査:虫歯、歯周病の状態を確認します
・これらの検査の後、歯石の除去、歯の着色の除去など、クリーニングに入ります。
❏定期健診の頻度は?
定期健診の頻度は、その方のお口の状況により変わってきますが、多くの場合「2~3か月」に1回です。患者様によっては「4か月に1回」の方もおりますし、逆に「1か月に1回」という方もおります。大事なことは、定期的に行う事です。それも、スキルのあるトレーニングをうけた術者(歯科医師、歯科衛生士)により行われることが大切です。
❏定期健診をおすすめする理由
特に平均寿命が延びている現代、「1年でも健康な状態を維持する」ことが大切になります。虫歯を治した場合でも、歯を削るということは、その歯の寿命は確実に下がっていきます。つまり、治療=完治でありません。このような視点に立つと、健康なときに健診を通じて悪化させないことが重要となります。
また、歯科治療にかかる費用は安くはありません。その一方、定期健診やクリーニングというのは、保険診療の範囲で対応ができます。したがって、健康な今のうちから、健診を受けることが大切になります。