歯茎の検査はなぜ痛い?

      2025/07/02

歯茎の検査とは何か?

歯科医院で行われる検査には「ミラー」を用いた検査や、「エアー」をかける検査や、「レントゲン撮影」を用いた検査など、いろいろあります。今回のそのうちの「ポケット検査」についてお話します。

 

 

1 歯茎の検査とは?

歯医者さんで「323」「323」「434」などという声かけを聞いたことがあるかもしれません。これは歯茎の検査の1つで、「歯茎のポケット(炎症度合いの基準)」を測定しています。歯は「歯槽骨」という骨に埋まっており、その周囲を歯茎が覆っています。

歯周病になると歯を支えている歯槽骨が溶けていきます。その時、生体は、溶けてしまった骨の分、歯茎も引き下げます。これは専門的には、「付着の喪失」と呼びます。

つまり、健康な人の場合、歯茎は歯としっかりと付着していますが、歯周病などで「歯茎に炎症」が起きている場合には、骨が溶けた分だけ、この付着している部位が、どんどん下の方に下がっていくのです(以下、Aが健康な歯茎、Bが歯周病)

上の絵を見ていただきますと、ポケット内部に器具(プローブ)が挿入されているのがわかります。これがポケット検査です。この検査をすることで、どれだけ歯茎が歯と付着しているかの「程度」を知ることができます。

この絵からもわかるように、見た目としては歯茎の位置は変わりません。むしろ歯周病では歯茎が腫れるため、盛り上がっているようにも見えます。しかし、歯茎の内部(ポケット)では、どんどん歯茎が歯から離れていきます。このように炎症で歯茎が剥がれていくときに、いかにその程度を調べるか? 

それこそが「ポケット検査」なのです。

 

2 何ミリだと危険なの?

一般的には、2㎜、3㎜が健康なポケットの深さです。歯周病の初期段階では大きく損なわれることはありませんが、歯周病が進行すると、4㎜、5㎜、6㎜と深さが増していきます。したがって、4㎜以上は要注意となります。もしもこの数値が6㎜、7㎜となってきますと、大分危険です。徐々に歯が揺れ、いずれ抜歯の検討に入ります。なぜならば、その深さ分、歯を支えている骨も溶けてしまっているからです。

 

3 測定時に痛いのはなぜ?

健全な歯茎にプローブを入れる場合には、痛みを感じることはありません。しかし、歯周病などの炎症が起きている場合などには、ある程度深いポケットの測定が必要になります。そのため、正常な場合に比べて、チクチクする傾向があります。ただし、歯の側面に沿わせて検査をすることで、できる限り痛みを抑えることが可能です。当院ではプローブ時の痛みをとにかく抑えることを徹底しています。

 

4 歯茎から出血するのは危険なの? 

ポケット検査の最大の目的は「ポケットの測定」ではなく、「歯茎の炎症」を把握することです。したがって、ポケットが何ミリという事以上に、出血するかの有無を調べることが大切です。出血をするということは、ポケット内部に炎症が起き、その毛細血管が拡張し、薄くなっている表れです。検査時に出血しなくなることが、歯周病の緩和の1つの目安になります。

そのために、歯科医院において、炎症の原因となるプラーク、歯石の除去を行うことが大切です。そしてなにより、ご自宅での正しい歯のケア(歯ブラシ、フロス、歯間ブラシを用いる)を行うことが重要です。

 

5 歯周病は歯を失う原因1

年代別の「歯がどれだけ残存しているか」の調査によると、60歳を境に、歯を失う本数が急激に増えていきます。その圧倒的な原因は「歯周病」です。歯周病は自覚がないことが最大の特徴であり、同時期に複数本が抜けていくことが最大の怖さです。ぜひ、健全なうちに歯のケアを徹底し、生涯自分の歯で食事を楽しむことを実現させましょう。

神保町野本歯科医院 野本幸平



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