タバコがもたらす歯周病への影響。タバコは歯周病の大敵。
2025/07/02
タバコは歯周病の大敵、喫煙者の歯周病が厄介な理由
今回は、タバコがもたらす歯周病への影響についてお伝えします。
喫煙者は、歯周病になる可能性が4倍以上
タバコには様々な化学物質が含まれており、「ニコチン」や「発癌性物質」などは有名です。タバコが与えるお口への影響には、「口臭」や「歯へのヤニによる黒い着色」の他に、何にも増して「歯周病」があります。
ある統計によると、歯周病にかかるリスクは、非喫煙者に比べて「4倍~5倍」になることが判明しています。さらに怖いのは、重症化もしやすくなることです。
喫煙は歯周病の症状を隠してしまう
喫煙者の歯周病が重症化する最大の原因は、「症状が現れない」ことです。通常、歯周病自体が自覚症状の少ない疾患ですが、少なくとも「歯茎の腫れ」や「ブラッシング時の出血」が見られます。
しかし、喫煙のニコチン効果により、血管が収縮し、「腫れや出血が抑制」されるため、本来ならば歯周病の状態である場合にも、それが顕在化しないのです。それが理由で、軽症のうちに改善できるはずのチャンスを逃し、気づいたときには重症化している場合が多くなります。
(資料:日本臨床歯周病学会)
喫煙者の治療の治りが悪くなる理由
その他、ニコチンは免疫機能も阻害し、「傷を治癒させるために働く細胞」の働きを抑制します。
そのため、病気の治癒が非喫煙者に比べて遅れる傾向にあります。その他、アレルギーになりやすく、感染症などにも感染しやすくなります。
*喫煙者の方が禁煙をすることで、これらの危険性が下がることも様々な研究でわかっています。実際に歯周病リスクも半減することが知られています。
まとめ
喫煙していない方でも、日々のお口のケアを怠れば重度歯周病になっていきます。しかし、そのリスクが4倍~5倍も違うことを考えると、やはりタバコは控えたほうがいいでしょう。当院でも、重度歯周病になってから、「もうタバコはやめた」という方もおりますが、それでは手遅れになることがあります。禁煙をすることは非常に難しいことでもあるため、私もあまり強くは言えませんが、大事な身体はもちろんのこと、歯の未来を守るためにも、少しずつ数を減らすなど、スモールステップで工夫をすることも良いことだと思います。
神保町野本歯科医院 野本幸平
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