寝ている時の「よだれ」を止めたい!原因と対策について

      2026/01/24

神保町の歯医者、神保町野本歯科医院で、寝ている時の「よだれ」について解説

神保町野本歯科医院の院長、野本です。

よだれ(唾液)は、本来お口の粘膜を保護し、細菌の繁殖を抑え、消化を助けるために不可欠なものです。
起きている間、私たちは無意識のうちに唾液を飲み込んでいますが、睡眠中は筋肉がリラックスし、飲み込む回数が減ります。

基本的には「深く眠れている証拠」でもありますが、あまりにも量が多い場合や毎日続く場合は、「口呼吸(くちこきゅう)」や「嚥下(えんげ:飲み込み)の機能低下」が起きている可能性があります。

 

【分類別】寝ている時によだれが出る原因

原因は一つとは限りません。
複数が組み合わさっていることも多いため、ご自身の状況に照らし合わせてみてください。

 

お口の構造・機能に関する原因(歯科的要因)

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お口が正しく閉じられない、あるいは閉じにくい状態にあると、よだれは外へ漏れ出します。


口呼吸の習慣
最大の原因です。鼻ではなく口で息をすると、口が開きっぱなしになり、溜まった唾液が重力に従って外へ流れます。

出っ歯(上顎前突)や歯並びの乱れ
歯並びが原因で唇が自然に閉じにくい(口唇閉鎖不全)場合、寝ている間に筋力が緩むと、すぐに口が開いてしまいます。

口周りの筋力低下(口輪筋の衰え)
加齢や、柔らかいものばかり食べる習慣によって、口を閉じる筋肉が弱くなると、睡眠中のリラックス状態でお口が開いてしまいます。

重度の歯周病
歯ぐきに強い炎症があると、体が細菌を洗い流そうとして唾液の分泌量が増えることがあります。
また、炎症による不快感から口呼吸を誘発することもあります。

 

鼻や喉の疾患に関する原因(耳鼻科的要因)

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「口を閉じたくても閉じられない」状況がここに当てはまります。


鼻詰まり(慢性鼻炎・蓄膿症・花粉症)
鼻が詰まっていると、酸素を取り込むために強制的に口呼吸になります。

アデノイド肥大・扁桃肥大
喉の奥にある組織が大きすぎると、空気の通り道が狭くなり、口を開けて呼吸せざるを得なくなります。
これは特にお子さまに多い原因です。

鼻中隔湾曲症(びちゅうかくわんきょくしょう)
鼻の仕切りが曲がっていることで鼻の通りが悪くなり、口呼吸が常態化します。

全身疾患や体質に関する原因

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よだれが「健康状態のバロメーター」となるケースです。


睡眠時無呼吸症候群(SAS)
寝ている間に何度も呼吸が止まる病気です。止まった呼吸を再開しようと大きく口を開けてあえぐような呼吸をするため、よだれが出やすくなります。

胃食道逆流症(GERD)
胃酸がお口の方へ逆流してくる病気です。
お口の中が酸性になると、それを中和しようとして「ウォーターブラッシュ(水様性唾液の過剰分泌)」という現象が起き、よだれが激増します。

神経疾患(パーキンソン病など)
唾液を飲み込むための筋肉のコントロールが難しくなる疾患では、唾液が飲み込めずに口から溢れてしまいます。

脳血管障害の後遺症
脳梗塞などの後遺症で、お口の周りの麻痺や、嚥下障害(飲み込みの障害)がある場合に見られます。

 

薬剤や嗜好品の影響

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薬の副作用
精神科系の薬、てんかんの薬、アルツハイマー病の治療薬などの中には、副交感神経を刺激して唾液分泌を増やす副作用を持つものがあります。

アルコール摂取
お酒を飲んで寝ると、喉の筋肉が通常以上にリラックスして気道が狭くなり、いびきや口呼吸を誘発します。
その結果、よだれが出やすくなります。

極度の疲労やストレス
自律神経が乱れると、唾液の分泌コントロールが不安定になります。

 

大人のよだれ vs 子供のよだれ:その違いと深刻度

「よだれ」という現象自体は同じでも、その原因を紐解くと、年齢層によって全く異なるストーリーが見えてきます。
大人のよだれを放置すると全身疾患の悪化を招く恐れがあり、子供のよだれを放置すると将来の顔立ちや歯並びに影響を及ぼす恐れがあります。

 

大人のよだれ ―― 「機能低下」と「不調」のサイン

大人の場合、本来は完成しているはずの「口を閉じる力」や「飲み込む機能」が、何らかの理由で阻害されている状態です。

 

筋肉の衰えと「オーラルフレイル」

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加齢とともに、お口周りの筋肉(口輪筋)や舌の筋肉が衰えます。
これを「オーラルフレイル(お口の衰え)」と呼びます。
寝ている間は全身の筋肉が緩みますが、筋力が低下している大人は、重力に抗って口を閉じ続けることができません。
その結果、開いた口から唾液が漏れ出します。

唾液が外に出る=口の中が乾く(ドライマウス)を意味します。
大人のドライマウスは、急激な歯周病の進行や、口臭の悪化を招きます。

 

ストレスと自律神経の乱れ

働き盛りの世代に多いのが、ストレスによる唾液の性質の変化です。
過度なストレスは自律神経を乱します。リラックス時に働く副交感神経が過剰に刺激されると、サラサラした唾液が大量に分泌され、処理しきれずによだれとして出ることがあります。

 

胃食道逆流症(GERD)との深い関係

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大人のよだれで意外と見落とされるのが、胃の不調です。
胃酸が逆流しそうになると、体は中和しようとして反射的に大量の唾液を出します。
朝起きたときによだれが多く、かつ口の中が酸っぱかったり、胸焼けがしたりする場合は、歯科ではなく内科的なアプローチが必要です。

 

子供のよだれ ―― 「成長」と「習慣」の分岐点

子供の場合、よだれは成長過程で見られるものですが、ある一定の年齢を過ぎても続く場合は「習慣的な口呼吸」が定着している恐れがあります。

 

歯の生え変わりによる刺激

乳歯から永久歯への生え変わり時期は、歯ぐきがムズムズしたり、違和感があったりします。
この刺激が唾液腺を活性化させ、一時的によだれの量が増えることがあります。
これは生理的な反応なので、過度に心配する必要はありません。

 

「ポカン口(口唇閉鎖不全症)」の定着

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最近のお子さまに非常に多いのが、常に口が開いている状態です。
柔らかい食事の普及で噛む回数が減り、顎の発育や口周りの筋肉が未発達な子供が増えています。
口呼吸が常態化すると、「アデノイド顔貌」と呼ばれる、下顎が後退し、顔が長く伸びたような独特の顔立ちになるリスクがあります。
これは見た目だけでなく、将来的な歯並びのガタガタ(叢生)に直結します。

 

鼻咽腔(びいんくう)の物理的な閉塞

子供は大人に比べて扁桃腺やアデノイド(鼻の奥のリンパ組織)が肥大しやすい傾向があります。
物理的に鼻の通り道が狭いため、「口で息をせざるを得ない」状況がよだれを引き起こします。

 

【比較表】大人と子供のチェックポイント

比較項目 大人の場合(老化・病気型) 子供の場合(発達・習慣型)

主な原因

筋力低下、ストレス、内臓疾患、薬

成長、鼻疾患、噛む力の未発達

懸念されるリスク

重度歯周病、誤嚥性肺炎、SAS

歯並びの悪化、顔立ちの変化、集中力低下

歯科での対策

筋力トレーニング、マウスピース

矯正相談、口腔筋機能療法(MFT)

他科との連携

内科(胃腸)、耳鼻科、睡眠外来

耳鼻科(アデノイド)、小児科

 

寝ている時のよだれを放置するリスク

「枕を洗えば済む話」ではありません。
よだれが出る背景にある「口呼吸」は、健康に多くの弊害をもたらします。


虫歯・歯周病の悪化
口が開くと唾液が蒸発し、お口が乾燥します。唾液の自浄作用が失われ、細菌が爆発的に増殖します。

口臭の悪化
乾燥したお口の中で細菌がガスを発し、朝起きた時の強烈な口臭に繋がります。

感染症にかかりやすくなる
鼻のフィルターを通さない「口呼吸」は、ウイルスや細菌を直接喉に吸い込むため、風邪やインフルエンザのリスクを高めます。

睡眠の質の低下
口呼吸はいびきを伴いやすく、眠りが浅くなります。日中の眠気や集中力欠如の原因になります。

 

今日からできる!「よだれ」の改善策と対処法

よだれを減らすためには、「鼻で呼吸できる環境」と「お口を閉じる力」を整えることが重要です。

 

寝る姿勢の工夫

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仰向け寝を意識する
横向きやうつ伏せは、頬が圧迫されて口が開きやすくなります。

枕の高さを調整する
高すぎる枕は顎が引けて気道を塞ぎ、低すぎる枕は口が開きやすくなります。
自然に鼻呼吸ができる高さを見つけましょう。

 

口呼吸の防止策

マウステープ(口閉じテープ)
市販されている専用のテープを唇に貼って寝ることで、物理的に口を閉じ、鼻呼吸を促します。
※注意:鼻が完全に詰まっている場合は窒息の恐れがあるため、必ず鼻の通りを確認してから行ってください。

鼻腔拡張テープ
鼻の通りを良くすることで、口呼吸の必要性を減らします。

 

お口周りのトレーニング(あいうべ体操)

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口輪筋を鍛えることで、寝ている間も自然に口が閉じるようになります。
「あー」「いー」「うー」「べー(舌を出す)」と大きく口を動かす体操を、1日30回程度行うのが効果的です。

 

歯科医院での治療

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マウスピース治療
歯ぎしりや食いしばりがある場合、マウスピース(ナイトガード)を装着することで、お口の環境が整い、よだれが改善することがあります。

矯正治療
歯並びが原因で口が閉じない場合は、根本的な解決として矯正が有効です。

歯周病治療
お口の中の細菌数を減らし、炎症を抑えることで、過剰な唾液分泌を抑制します。

 

よだれは「質の高い眠り」へのヒント

寝ている時のよだれは、あなたの身体が「鼻呼吸がしにくいよ」「お口の筋肉が疲れているよ」と教えてくれているメッセージです。
恥ずかしがる必要はありません。大切なのは、その原因が鼻にあるのか、歯並びにあるのか、あるいは睡眠の病気にあるのかを正しく見極めることです。

神保町野本歯科医院では、よだれの原因となる口呼吸の改善や、歯並び・噛み合わせの相談、そして睡眠時無呼吸症候群の検査連携など、多角的なサポートを行っています。
朝の目覚めをより爽快なものにするために、一度お口の環境をチェックしてみませんか?

 



神保町野本歯科医院:https://nomodent5454.com/

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