「歯がたまに痛い」のはなぜ?「間欠的な痛み」の原因と対策について

      2026/03/11

神保町の歯医者、神保町野本歯科医院で「歯がたまに痛い」のはなぜ?「間欠的な痛み」の原因と対策について解説

神保町野本歯科医院の院長、野本です。

「いつも痛いわけではないけれど、時々ズキッとする」
「忘れた頃にまた違和感が出る」

そんな「たまに痛い」という症状。
実は、歯科医師にとって「ずっと痛い」という訴えよりも、この「たまに痛い」という症状の方が、緊急性の高いトラブルや複雑な原因が隠れているサインとして緊張感を持つことがあります。
なぜなら、痛みがない時間は「治っている」のではなく「沈黙のまま悪化している」期間である可能性が高いからです。

歯科疾患において、「自然治癒」は基本的にあり得ません。
痛みが引いたのは、原因がなくなったからではなく、体が痛みに慣れてしまったか、あるいは最悪の場合、神経が死んで「痛みを感じる機能」を失ってしまったからかもしれません。
ここでは、「痛みの波」が生じるメカニズムを、原因別に詳しく解説します。

 

原因1:初期〜中等度の「虫歯(う蝕)」

神保町の歯医者、神保町野本歯科医院で「歯がたまに痛い」のはなぜ?「間欠的な痛み」の原因と対策について解説

最も一般的な原因ですが、痛みの出方に特徴があります。
虫歯がエナメル質を突き抜け、象牙質(ぞうげしつ)に達すると、食べ物の温度や糖分の刺激によって痛みが出ます。常に痛くないのは、外部からの刺激がある時だけ神経に信号が伝わるからです。


痛みの特徴
・甘いもの、冷たいものがしみる。
・食べ物が虫歯の穴に詰まった時だけ痛む。
・刺激がなくなると、数分で痛みも消える。


対策と解決策
早期修復
この段階なら、神経を残せる可能性が極めて高いです。
マイクロスコープを用いて感染部位だけを精密に取り除き、ダイレクトボンディング等で封鎖します。

 

原因2:歯の神経の限界「可逆性・不可逆性歯髄炎」

神保町の歯医者、神保町野本歯科医院で「歯がたまに痛い」のはなぜ?「間欠的な痛み」の原因と対策について解説

神経が炎症を起こし、生きるか死ぬかの瀬戸際にある状態です。
神経の炎症が軽度なうちは、血流の変化(お風呂上がりや飲酒時)で血圧が上がったときだけ、歯の内部の圧力が高まり痛みが出ます。これが悪化して「不可逆性」になると、何もしなくても痛むようになりますが、その手前では「たまに強い痛み」を繰り返します。


痛みの特徴
・夜、寝る前などにズキズキと脈打つように痛む。
・熱いものがしみるようになる(これは重症化のサインです)。
・痛みが数時間続くが、翌朝にはケロッと治っていることがある。


対策と解決策
MTAセメントによる覆髄
神経が生きているうちに特殊な材料(MTA)で保護すれば、抜髄(神経を取る治療)を回避できる可能性があります。

 

原因3:見えない亀裂「歯の破折(クラック)」

神保町の歯医者、神保町野本歯科医院で「歯がたまに痛い」のはなぜ?「間欠的な痛み」の原因と対策について解説

実は現代人に非常に増えており、最も「たまに痛い」を引き起こしやすい原因です。
長年の使用や食いしばりによって、歯の根元や噛み合わせ面に「目に見えないヒビ」が入ります。普段は無痛ですが、噛んだ瞬間にヒビが開き、中の神経を直接刺激するため、一瞬だけ激痛が走ります。


痛みの特徴
・特定のものを噛んだ瞬間に「キーン」と鋭い痛みが走る。
・噛んだ状態から、パッと離した瞬間に痛むことが多い。
・硬いもの(ナッツやフランスパン)を避ければ痛まないため、放置されやすい。


対策と解決策
全周被せ物(クラウン)
ヒビが広がらないように、歯を外側からガッチリと補強する被せ物を行います。
放置するとヒビが根まで達し、抜歯になるため早急な対応が必要です。

 

原因4:歯ぐきの腫れ「歯周病(智歯周囲炎)」

神保町の歯医者、神保町野本歯科医院で「歯がたまに痛い」のはなぜ?「間欠的な痛み」の原因と対策について解説

歯そのものではなく、歯を支える組織の炎症です。
歯周ポケットの中に細菌が溜まり、体の免疫力が落ちたとき(寝不足、過労、ストレス)だけ炎症がぶり返します。体調が良いときは免疫が抑え込んでいるため、痛みが消失します。


痛みの特徴
・歯ぐきがムズムズ、ジワーッと重苦しい。
・歯が浮いたような感じがする。
・親知らずの周りが、疲れた時だけ腫れて痛む。


対策と解決策
徹底的な除菌
マイクロスコープを用いた歯石除去と、必要に応じた再生療法(リグロス、エムドゲイン)を検討します。

 

原因5:根の先の病気「根尖性歯周炎(こんせんせいししゅうえん)」

神保町の歯医者、神保町野本歯科医院で「歯がたまに痛い」のはなぜ?「間欠的な痛み」の原因と対策について解説

過去に神経を取った歯や、神経が死んでしまった歯に起こります。
根の先に膿の袋(根尖病巣)ができ、袋の中に圧力が溜ると痛みが出ます。
膿が体内に吸収されたり、歯ぐきから排出されたりすると圧力が下がり、痛みが消えます。


痛みの特徴
・噛むと響く、重い痛み。
・歯ぐきに「おでき」のようなプツッとしたものができたり消えたりする。
・激痛ではないが、常に「そこにある」という違和感が数ヶ月続く。


対策と解決策
精密根管治療
根の中の細菌を徹底的に除去します。

 

原因6:噛み合わせの負担「咬合性外傷(こうごうせいがいしょう)」

神保町の歯医者、神保町野本歯科医院で「歯がたまに痛い」のはなぜ?「間欠的な痛み」の原因と対策について解説

特定の歯にだけ、過度な「力」がかかっている状態です。
寝ている間の食いしばりや、歯並びの影響で、特定の歯だけに横方向の強い力がかかり続けます。歯を支える「歯根膜」が捻挫(ねんざ)のような状態になり、炎症を起こします。


痛みの特徴
・朝起きたときに特定の歯が痛む。
・叩くと響く感じがする。
・日中、活動している間は痛みが気にならない。


対策と解決策
咬合調整
噛み合わせのわずかな高い部分を修正します。
マウスピース
ナイトガードで力を分散させます。

 

原因7:鼻のトラブル「副鼻腔炎(上顎洞炎)」

神保町の歯医者、神保町野本歯科医院で「歯がたまに痛い」のはなぜ?「間欠的な痛み」の原因と対策について解説

鼻の炎症が「歯の痛み」として脳に伝わるパターンです。
上あごの奥歯の根っこは、鼻の隣にある空洞(副鼻腔)に非常に近いです。 風邪や花粉症で副鼻腔が炎症を起こすと、歯の神経が圧迫され、歯そのものが悪くなくても痛みます。


痛みの特徴
・上の奥歯数本がまとめて痛む。
・下を向いたときや、走った時の振動で響く。
・鼻詰まりや頬の重さを伴う。

 

歯科医院に行くべきかどうか迷ったら・・・

「たまに痛い」という状態は、歯があなたに送っている「最終警告」かもしれません。
特に、痛みが消えた後に「治った」と勘違いしてしまうのが一番の危険です。

 

歯の痛みセルフ診断チャート

以下の質問に対し、自分の症状に最も近いものを選んでください。


Q1. 痛みを感じるタイミングは?

A:冷たいものを飲んだときだけ(数秒で引く)
→ 【可能性】初期の虫歯、知覚過敏
B:熱いものを飲んだとき(じわ〜っと痛みが続く)
→ 【可能性】重度の歯髄炎(神経の炎症)
C:噛んだ瞬間だけ「キーン」と鋭く痛む
→ 【可能性】歯のヒビ(破折)、噛み合わせの異常
D:何もしなくてもズキズキ痛む、または夜寝る前に痛む
→ 【可能性】末期の歯髄炎、根の先の膿


Q2. 痛みの「範囲」は?

A:特定の1本の歯がピンポイントで痛い
→ 【可能性】虫歯、歯のヒビ、根尖病巣
B:上あごの奥歯数本が、エリア全体で重苦しい
→ 【可能性】副鼻腔炎(鼻からの影響)、食いしばり


Q3. 叩いたとき(タッピング)の反応は?

A:響かない
→ 【可能性】初期虫歯、知覚過敏
B:響く、または他の歯より高く感じる
→ 【可能性】根の先の炎症、歯周病、噛み合わせの負担

 

「神経が死にかけているサイン」の見分け方

「神経が死ぬ(失活する)」というのは、歯への栄養供給がストップすることを意味します。
以下のサインがあれば、一刻も早い精密根管治療が必要です。

「温かいもの」で痛むようになった
冷たいもので痛む段階はまだ「可逆性(元に戻れる)」の可能性がありますが、熱いお茶やスープでズキズキ痛み出したら、神経のダメージは臨界点を超えています。
これは歯の内部でガスが発生し、神経を圧迫している証拠です。

激痛のあと、急に「無痛」になった
「昨夜は眠れないほど痛かったのに、朝起きたら全く痛くない」
これは治ったのではありません。神経が完全に死んでしまい、痛みを感じる機能が壊れたサインです。
放置すると数日〜数週間後に、死んだ神経が腐敗してガスが溜まり、根の先(顎の骨の中)で大爆発(急性根尖性歯周炎)を起こし、顔が腫れ上がるような激痛に襲われます。

歯の色が「一本だけ」暗くなってきた
他の歯と比べて、一本だけ茶色っぽく、あるいはグレーがかって見えませんか?
神経が死ぬと血液が通わなくなるため、歯の内部でタンパク質が変色し、内側から色が暗くなります。

歯ぐきに「おでき(ニキビのようなもの)」ができる
「フィステル(瘻孔)」と呼ばれる膿の出口です。神経が死んで根の先に膿が溜まると、その逃げ道として歯ぐきにプツッとした膨らみができます。
潰れると痛みが引きますが、原因である根の中の細菌を駆逐しない限り、何度でも繰り返します。

 

院長からのアドバイス:痛みの「日記」をつけましょう

神保町の歯医者、神保町野本歯科医院で「歯がたまに痛い」のはなぜ?「間欠的な痛み」の原因と対策について解説

「たまに痛い」原因を特定するためには、患者さまの主観的な情報が非常に重要です。

いつ痛むのか?(朝、夜、食事中、入浴時)

何で痛むのか?(冷たいもの、噛んだとき、甘いもの)

どれくらい続くのか?(一瞬、数分、数時間)


当院(神保町野本歯科医院)では、これらのヒアリングと、マイクロスコープによる精密診査を組み合わせることで、「たまに痛い」の背後に隠された真の原因を突き止めます。

「まだ我慢できるから」と放置せず、痛みという「体の警告」に耳を傾けてください。それが、あなたの歯を抜かずに守る唯一の方法です。

 



神保町野本歯科医院:https://nomodent5454.com/

〒101-0051 東京都千代田区神田神保町2-19-1 リーガルタワー神保町1F
電話:03-5276-5454

電車でお越しの方:
都営地下鉄 神保町駅 徒歩1分

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