スマホが原因で歯が痛む!?意外な原因と対処法について
2025/09/26
こんにちは、神保町駅徒歩1分の歯医者、神保町野本歯科医院です。
「虫歯じゃないのに、なぜか歯が痛い…」
「歯の痛みと肩こりが同時に起こる…」
このような症状に心当たりはありませんか?
神保町という場所柄、当院には日頃からスマホやパソコンを長時間使う方が多く来院されます。
そして、最近特に増えているのが、これらの症状を訴える患者さんです。
もしかしたら、その原因は、あなたが毎日何時間も見つめている「スマホ」にあるかもしれません。
私たちの生活に欠かせないスマホですが、その不適切な使い方が、歯や顎に想像以上の負担をかけていることが、最近の研究で明らかになってきています。
今回は、スマホが歯の痛みを引き起こす原因を詳しく解説します。
無意識の「噛み締め・食いしばり」による歯へのダメージ
スマホに熱中しているとき、あなたの奥歯はぐっと噛み締められていませんか?
集中しているとき、人は無意識に歯を食いしばる傾向があります。
この無意識の噛み締めは、スマホを覗き込むような猫背の姿勢と密接に関係しています。
頭を前に突き出す姿勢は、首や肩の筋肉だけでなく、顎の周りの筋肉にも過剰な緊張を引き起こします。
この緊張が、日中や就寝中の無意識の噛み締めや食いしばりを誘発し、歯に過大な力がかかってしまうのです。
この状態が続くと、以下のような歯の痛みを引き起こします。
歯のヒビや亀裂(クラック)
歯にマイクロ単位のヒビが入り、冷たいものがしみる、噛むと痛むといった症状が出ます。
放置すると歯が割れてしまい、抜歯が必要になることもあります。
歯の摩耗(歯がすり減る)
歯の表面のエナメル質が削れ、内部の象牙質が露出することで、知覚過敏が起こりやすくなります。
歯根膜炎(歯の周りの組織の炎症)
過剰な力により、歯の根っこを支える「歯根膜」という組織に炎症が起き、歯が浮いたような痛みや、噛んだときの鈍い痛みを感じることがあります。
眼精疲労と顎関節症の連鎖
「目が疲れると、顎まで痛くなる」と感じたことはありませんか?
スマホの画面を長時間見つめることで、眼精疲労が引き起こされます。
目の周りの筋肉や、目の奥の筋肉が緊張すると、その緊張は頭部の筋肉全体に広がります。
特に、こめかみから顎にかけて広がる「側頭筋」という筋肉は、噛むときに重要な役割を果たしています。
眼精疲労によってこの側頭筋が硬く緊張すると、顎の動きが制限されたり、顎の痛みや不快感を引き起こしたりします。
この顎関節の不調が、周辺の歯にまで影響し、歯が原因不明の痛みを訴えることがあります。
口呼吸による口腔内の乾燥と歯の痛み
スマホを見ている時、口が開いていませんか?
猫背で下を向く姿勢は、舌の位置が下がり、口が開きやすくなります。
これにより、「口呼吸」が習慣化してしまうことがあります。
口呼吸は、口腔内を乾燥させ、唾液の自浄作用を低下させます。
唾液には、歯の再石灰化を促したり、細菌の繁殖を抑えたりする重要な働きがあります。
口腔内が乾燥すると、これらの機能が低下し、虫歯菌や歯周病菌が繁殖しやすい環境になります。
その結果、以下のような痛みが生じることがあります。
虫歯の進行
乾燥した状態では、虫歯が急速に進行し、神経に達することで激しい痛みを引き起こすことがあります。
知覚過敏の悪化
歯の表面が乾燥すると、刺激に対する感受性が高まり、冷たい空気や飲み物で歯がキーンとしみる痛みが増すことがあります。
自律神経の乱れによる全身への影響
長時間にわたるスマホの利用は、自律神経の乱れを引き起こすことが知られています。
特に、夜遅くまでスマホのブルーライトを浴びることは、交感神経を優位にし、睡眠の質を低下させます。
自律神経のバランスが崩れると、身体は常に緊張状態になり、睡眠中の歯ぎしりや食いしばりを悪化させます。
また、自律神経の乱れは、痛みをコントロールする脳の機能にも影響を及ぼし、わずかな刺激でも痛みを感じやすくなったり、痛みが慢性化したりする原因となることがあります。
このため、歯の痛みをより強く感じたり、原因不明の痛みが続いたりすることがあります。
顎関節症そのものが歯の痛みを引き起こす
スマホの使いすぎによって引き起こされる噛み締めや、顎の筋肉の緊張は、顎関節症の発症や悪化に直結します。
顎関節症には、以下のような様々な症状があります。
口を開け閉めすると顎から「カクカク」「ジャリジャリ」と音が鳴る
口が大きく開けられない
口を開けるときに顎が痛む
これらの症状が重度になると、顎の痛みだけでなく、顎の周りにある歯にも強い力がかかるため、「歯が痛い」「歯が浮いた感じがする」といった症状を訴えることが多くなります。
口の周りの筋肉の衰え
スマホを見ているときの無表情な顔や、口呼吸の習慣化は、口の周りの筋肉(口輪筋など)を衰えさせます。
口の周りの筋肉が衰えると、口が常に半開きの状態になり、顎の関節を支える力が弱まります。
この結果、顎の関節が不安定になり、顎関節症の症状を引き起こしやすくなります。
また、口をしっかり閉じられないことで、唾液の分泌が減少し、虫歯や歯周病のリスクが高まります。
スマホと顎関節症、一見無関係に見えるその深い関係性
「スマホが顎に悪影響を与えるなんて、信じられない」
そう思われるかもしれません。
しかし、スマホの使いすぎが、私たちの顎や歯に想像以上の負担をかけていることは、歯科医師の間ではもはや常識になりつつあります。
その鍵を握るのが、「姿勢」です。
スマホを覗き込むように下を向く姿勢は、首が前に出て、猫背になりがちです。
この姿勢は、頭の重さを首や肩だけで支えようとするため、首や肩の筋肉が緊張し、血行が悪くなります。
この緊張が、実は顎の筋肉にも波及してしまうのです。
「スマホ顎関節症」かも?セルフチェックリスト
以下の項目に当てはまるものはありませんか?
もし一つでも当てはまるなら、「スマホ顎関節症」の予備軍かもしれません。
スマホを1日2時間以上見ている
スマホを見るとき、首が前に出ている
集中している時や、緊張している時に、奥歯をぐっと噛み締めていることがある
朝起きたとき、顎がだるい、重いと感じる
口を開け閉めする時に、カクカク、ジャリジャリと音がする
口を大きく開けられない
頬杖をつく癖がある
虫歯がないのに歯が痛い、しみる
スマホ顎関節症を改善するための3つの対策
「もうスマホをやめるしかないの?」
そんなことはありません。
日常生活で簡単にできる対策を3つご紹介します。
1. 姿勢を正す
これが最も重要です。
スマホを見る際は、できるだけ顔を下げず、スマホの位置を目線の高さまで上げるように意識しましょう。
テーブルに肘をついて見る
スマホスタンドを活用する
椅子に座る際は、背筋を伸ばす
ほんの少しの意識で、首や肩、顎への負担を軽減することができます。
2. 「噛み締め・食いしばり」を意識的にやめる
スマホを触る前に、深呼吸をして、顎の力を抜いてみましょう。
「歯を離す」と紙に書いて、スマホの近くに貼っておく
「スマホのロック画面に「歯を離す」と設定しておく
など、視覚的に訴える工夫をすることで、無意識の噛み締めを防ぐことができます。
3. 口の周りの筋肉をほぐす

顎の周りの筋肉をマッサージして、血行を促進し、緊張を和らげましょう。
口を「あー」「いー」「うー」と大きく動かすストレッチ
人差し指から小指の4本を使い、耳の下から顎の先に向かって円を描くようにマッサージ
これらを、休憩時間や寝る前に行うだけで、顎の筋肉の緊張を和らげることができます。
専門家による診断と治療の重要性
「セルフケアだけでは改善しない」
「もしかして、本当の顎関節症なのかな…」
そう不安に感じたら、我慢せずに歯科医院を受診してください。
当院では、患者さんの顎の状態を詳しく診察し、原因を特定した上で、以下のような専門的な治療を提案しています。
マウスピース(スプリント)治療
就寝中の噛み締めや食いしばりから、歯や顎を守るためのマウスピースを作成します。
顎関節周囲の筋肉のストレッチ指導
ご自身では難しい、より効果的なストレッチ方法や、ツボの押し方を指導します。
噛み合わせの調整
噛み合わせの不調が、顎関節症の原因となっている場合は、噛み合わせのバランスを整える治療を行います。
安心してご相談ください
スマホ顎関節症は、現代社会を生きる多くの方が抱えている、共通の悩みです。
当院は、患者さんの心に寄り添い、丁寧なカウンセリングを通じて、お一人おひとりのライフスタイルに合わせた解決策を一緒に探していきます。
「たかがスマホ、たかが歯の痛み」
と放置せず、早めの対処が大切です。
神保町という場所で働くあなたの健康を守るために、私たちは全力でサポートさせていただきます。
もし、ご自身の顎や歯の状態に少しでも不安がある方は、お一人で悩まずに、ぜひ一度、当院にご相談ください。
神保町野本歯科医院:https://nomodent5454.com/
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