説明をしない歯医者さん、説明を聞かない患者さん

 

本日のタイトルにもありますように、「説明」ほど重要なものはありません。

説明をし、患者様が納得(その方針に同意)をすることを、

「インフォームドコンセントを得る」と言います。

この態度がないことで、巷では多くのトラブルが発生しています。

「同意なく、歯を抜かれた」・・・

これはその典型ですね。

とりわけ歯科という学問は、他の医科分野の先生たちはほとんど習っていません。

以前、ある学会において、歯科大学の先生が

「失活歯(神経がない歯)が見えますね」

そうおっしゃいました。

すると、医学部の先生がこうおっしゃいました。

「先生、神経がないとはどういう意味ですか?」

そうなんです。このくらい、医科の先生たちは、歯科の知識を大学で習っていません。

したがって、私達歯科医師が責任をもって、アカウンタビリティ(説明責任)を果たすことが求められるのです。

しかしながら私が学生時代、大学の先生の中には「何1つ説明をせずに治療をする」ことが当たり前なケースがしばしば散見されました。『こうなってはならない!』と心に決めたことを思い出します。

しかし、いざ臨床をしていて感ずることは、

『そもそも、聞こうとしない方も多い』

ということです。

ですが、

『興味を持つように、話に耳を傾けさせることも、私達の役割』

そう思うのです。

そのため、私達はなるべく「ステップバイステップ」で、「今日はここを話そう。次はここを」という風に、毎回の診療で徐々に知識を伝える対応をしております。その結果、うまくいかないこともございますが、往々にして「先生、ここを治療してください」と、積極的な姿勢で治療に参加していただけるようになっています。患者様が質問を多くされる、ということは、それだけ参加意識が高いことを意味します。

患者様あっての、医院の存在です。
何より患者様第1(患者様ファースト)の姿勢で、本日も診療をしていきます。

神保町 野本歯科