仮の詰め物がとれる理由

 

歯科医師をやっていて、「本当に申し訳ないな」と思うことがいくつかあります。

その最たるものの1つが「仮の詰め物がとれた」です。

仮の詰め物がとれますと、やはり「嫌な感じがする」のが普通の感覚だと思います。

しかしながら、どうしても「削り方」や「歯の位置」によっては、詰め物がとれてしまう場合があります。とりわけ「奥歯」です。

◩仮の詰め物が取れる理由
その1:刺激によるもの
とりわけ奥歯は、噛むたびに刺激が加わるため、詰め物が取れやすい傾向にあります。そのほか、歯ブラシの刺激でも取れることがありますし、フロスは言うまでもありません。

その2:食べ物によるもの
ガムはもちろんですが、チョコレートなどでも、詰め物が取れる原因になります。

その3:材質によるもの
私は現在、「直接注入するタイプのもの」「徐々に盛っていくタイプのもの」の2パターンを使っていますが、前者の場合、「匂いがない」「噛んだ時に痛みが少ない」という大きなメリットがあり、患者様の不快感が軽減されます。しかしながら、デメリットは「外れやすい」のです。

一方、後者は「外れにくい」ものの、匂いと味が強烈であること(盛る段階での不快感を感じさせてしまう)、やや硬いため、場合によって「痛み」を生じさせることなどがあります。

私は前者をよく使うのですが、やはり「取れやすい」というデメリットがしばしば起こります。

本日も、「昨日仮の詰め物、付けてもらったんだけど、夕飯を食べる前に外れちゃった」

このような理由でご来院された方がおりました。

「これだけの理由」で来院させることが、本当に申し訳ない。切にそう思います。

患者様の多くは素晴らしい方が多く、「夕飯前にとれた。何事じゃ!!」とは言わずに、心の中でしまっていただけています。感謝いたします。

このようなことを最小限に抑えるべく、修行を積ませていただきます。
今後ともよろしくお願いいたします。

神保町駅から徒歩1分 野本歯科