神経の治療

歯の根っこ(=歯根しこん)の中には、細い管(根管)が存在します。この細い管の中には、全身から回ってくる「血管や神経」が含まれており、「歯への栄養」「歯の知覚」などを司っています。神経治療は、細菌に感染してしまった「神経や血管」を取り除き、落ち着いてきたら代用薬を入れる治療です。

3.4

❏なぜ、根っこの治療は何回も来院しなくてはならないの?

この治療は、最終的に、空洞になった根管に「薬」を詰めて閉鎖します。

もしも、歯根の下にある「膿瘍(のうよう)」が残っている段階で、閉鎖してしまうと、再び圧が生じ痛みます。予後を考えた時、しっかりと膿を出し切ることが求められます。そのためには、数週間というスパンを要します。

❏なぜ、根っこの治療をした後、毎回痛くなるの?

人の体は、外部からの刺激を攻撃と受け止め、その部位に様々な因子を送ります(NK細胞、マクロファージ、白血球など)。根っこの治療では、毎回「根っこの奥」を刺激するため、その都度、この「免疫反応」が生じ、痛みを感じます。ある意味、この痛みは「健全な痛み」と言えるのです。しかし、痛いため、薬を飲んでいただきます。

❏なぜ、根っこの治療をすると、歯の寿命は半減するの?

根っこの治療では、歯の神経と血管を除去します。

結果的に根っこは空洞化し、栄養が歯に渡らず、脆く、割れやすくなります。それが歯の寿命が短くなる理由です。

(特に銀歯は、嚙んだ時の衝撃が根っこに伝わりやすく、割れやすくなります)

❏どうすれば、根っこの治療を終えた歯が割れずに済むの?

予防策は、意識的に「歯と歯を合わせない」ように心がける事。

意識できない睡眠時には、ナイトガードを付け、嚙みしめたり、歯ぎしりをしても、緩衝(ガードを介することで、直接的な刺激を回避)する事、などが挙げられます。