定期クリーニングを受けた方へ【神保町の歯医者便り】

歯周病が進行すると、歯がグラグラと動き出します。

なぜこんなことが起こるのか? 

その理解のために、「歯周」について簡単にご説明します。

歯周組織とは、文字通り、歯の周りの組織を指し、それは具体的に

「歯肉(歯茎)、歯髄、歯根膜、歯槽骨」を指します。

これらのいずれかに「異常」が生じたものを、歯周病と言います。

冒頭に、「歯周病が進むと、歯がグラグラと動き出す」と書きまし

歯周病=「歯肉(歯茎)の病」だと思われがちですが、実際には「歯を支える骨の病」なのです。

たが、それは主に「歯槽骨」(歯を支える骨)が失われるためです。

🌌重要な認識1:歯周病はの病気

歯周病=「歯肉(歯茎)の病」だと思われがちですが、実際には「歯を支える骨の病」なのです。

歯の周りには歯肉(歯茎、ポケット)が存在しますが、その中を主な生息地としている菌が、「P,g菌」です。P.g菌こそが、歯周病の原因菌なのです。この菌は歯肉(ポケット)を攻撃します。すると何が起こるか?

人間の持つ生体防御反応が発動し、攻撃を貰わないように、歯肉の位置をどんどん下に引き下げていきます。

🌌重要な認識2:自分たちを守るため、私たちは自ら 「骨」 を溶かす。

歯周病菌(P,g菌)から身を守るため、私たちの生体防御反応が発動し、歯肉は下に下がっていきます。しかし、そこには厳格なルールが存在します。それは、「歯肉を下げるには、それと同量の骨を溶かす必要がある」という点です。

つまり、私たちの生体は、歯周病菌から身を守るため、自分たちの「歯を支えている骨を溶かす」ことで、その攻撃から身を守るのです。結果的に、歯を支えている骨がどんどん失われ、いずれ歯が揺れだし、ポロっと抜けてしまうのです。

よって、「歯周病菌が私たちの骨を溶かす」のではないのです。「歯周病菌から身を守るため」に、私たち自身の生体反応により、骨が溶けていくのです。

🌌重要な認識3:歯周病の最大の怖さは、「痛みは感じない」ことです。

どんなに歯を綺麗に磨いても、ポケットの中を綺麗にしなければ「歯周病菌」は住み続け、今日も静かに攻撃し続けます。その結果、私たちは自ら骨を溶かし続けます。これが歯周病が「静かなる病」と言われる所以です。虫歯と異なり、ゆっくり骨が溶かされていくため、「痛みを感じにくい」のです。