今日のお題は「クリーニング」!
今日も周太郎さん、よろしくね。
周太郎:こちらこそ。
前回質問で終わっていたわよね。
周太郎:うん。「歯のクリーニングは一生続けないとだめなの?」っていうことなんだけど・・・。
その通り。知識を持つ者と持たない者の『残酷な健康格差』が、これから先は起ってしまうと思うの。
歯の健康もその1つでね、既に日本は大分出遅れているの。多くの国では、歯の健康管理への意識は驚くほど高い。毎日の丁寧な歯ブラシ、フロスはもちろんのこと、クリーニングに行くことは、もはや習慣になっているの(日本もここ数年で増加中)。
彩音先生:実は、日本人は50代までは、世界でも大分、歯の残存数が多い国なの。でもその理由の多くが、先天的な強みの部分が大きいの。実際に歯のケアをしっかりしている人は少ないから、それが60代から、顕著に表れてくるの。
下の資料を見ても、70歳以降、突然、歯がぼろぼろ抜け出してしまうのがわかるはず。つまり、40代、50代の若い時のケアが70代以降に影響してくるの。
周太郎:ん~。このグラフは残酷だねぇ。80歳まで生きていても、歯が無くなったら辛いなぁ。
ワシは今48歳。歯の残存数は25本。このままいけば80歳で20本以下になる可能性があるなぁ。
ごめんなさいね。おそらく、このまま何も変えずに進んだ場合、80歳では10本前後になると思うの。
周太郎:どういうこと❔
つまりね、40代までは何もしなくても、ほとんどの人は、歯が丈夫なの。だからある意味錯覚を起こすの。
「これまで通りでいい。だって歯が残ってるじゃん」って。
でもそれは、あくまでも先天的な強みだっただけなの。ある一定の年齢を超えると、そこから先は、個人差が残酷なほどに出てしまうのよ。だから、48歳の周太郎さんも、今からさっそく歯のケアを本気で考えてほしいの。そうでないと、70歳以降にきっと後悔すると思うの。世界的な建築家の安藤忠雄氏が「人生は必ず余る」と言っているように、人生100年時代は、想像以上に長いものだから。
周太郎: まあ、たしかにそうかもしれないな。ところで、ワシは48歳なんだけど、遅くないかい?
遅いなんて。周太郎さんにとって、今が人生で一番早い時期よ。それは70歳の方も同じ。90歳になれば、「まだあの時は70歳だった」と必ず思う。誰にとっても今がもっとも早いの。
周太郎:う、うん。ただ疑問があってね。なぜ、歯が同時期にポロポロ抜けてしまうの?
普通、歯って1本ずつ抜けるじゃない。同時期ってどういうことなの?
良い質問をありがとう。そうよね。虫歯の場合だと、確かに歯は1本ずつ抜けるわね。でもね、歯周病はほとんどが同時に進行するの。だから同時期に一気(同じ年)に3本、4本と抜けていくの。
それが歯周病の怖い点です。次回は、お口のケアは健康寿命を著しく上げる具体例をお話します。
第4回に続く